FUTI役員、年次総会及び諮問委員会との合同会議で現況を報告

前列左から:桜井信子、田村史子、江川雅子、伊藤澄子、大迫雅子。後列:小林秀太、岸岡駿一郎、小林久志、山田雅章、桑間雄一郎

前列左から:桜井信子、田村史子、江川雅子、伊藤澄子、大迫政子。後列:小林秀太、岸岡駿一郎、小林久志、山田雅章、桑間雄一郎

FUTI理事会の2013年度総会が9月21日(土)の午前10時から、ニューヨーク市内にあるCommunity Resource Exchange (CRE)の会議室で開催された。

小林久志理事長の歓迎の挨拶の後、まず東大理事およびFUTI理事の江川雅子氏が東大での最近のニュースや動向ついて報告した(詳細はこの記事の末尾を参照)。次いで、桑間雄一郎財務担当理事が2012-2013年度のキャンペーンの報告を行った。個人からの寄付総額は2011-12年度には77人から62,005ドルが寄せられたの対し、今年度は73人から61,320 ドルが寄せられほぼ同じであった。しかしシンテック社の信託基金からの配当が昨年度の77,155ドルより9%減少の70,076ドルに留まり、収入総額は131,396ドルとなり前年度の139,160ドルより5%程減少した旨を報告した(詳細は関係記事を参照)。

左から:ギータ・メータ、岸岡駿一郎、伊藤澄子、桜井信子、田村史子

大学担当理事の山田雅章氏が夏季奨学金プログラムと研究助成金プログラムの結果に関し報告した (詳細は本号の関連記事を参照)。 FUTIのスタッフ大迫政子氏が東大がその国際化の一環として最近始めた次の三つのプログラムを紹介した:PEAK(Programs in English at Komaba),東大イノベーション・サマー・プログラム、体験プログラム。FUTI理事会のメンバーは総じてこれらのプログラムの意義を好意的に評価したが、FUTIが資金面で支援すべきか否かに関しては、意見が分かれ結論に至らなかった。PEAKに関したは、米国からの志願者の数や質に関して詳細な情報を得ることが先決であるとの意見が支配した。

午後は理事会と諮問委員会との合同会議が行われた。山田理事による夏季奨学金プログラムと研究助成金プログラムに関する報告の後、コロンビア大学博士課程のベンジャミン・フランデセンさんがコロンビア大ー東大の“凝縮体物理学のフロンティア” 合同講義開発プログラムに関する植村泰朋教授のビデオを紹介し質問に答えた(下記のビデオをご覧ください)。

Message to Friends of UTokyo, Inc from Prof. Yasumoto Uemura

その後は江川理事、桑間理事、大迫氏が午前中の理事会で討議した内容を諮問委員会に報告した。更に総務担当の小林秀太氏が諮問委員会や特別の委員会(例えばAward選考委員会)の役割を織り込んだ改訂された内規(Bylaws)を諮問委員会に報告した。

最後に理事会メンバーのみが残り、FUTI役員の再選、諮問委員の再選等の審議に入った。現在の役員及び理事会のメンバー 及び諮問委員会のメンバー(新しく任命された田村氏を含めて)を2014年9月まで再任命することを満場一致で決議した。松下重悳氏をAward選考委員に任命することも決議した。

追記:江川雅子理事の報告内容の要約

午前中の理事会及び午後の諮問委員との合同会議で江川氏が報告した内容の要旨は以下の通り。

  1. 当初、浜田学長によって提案された秋入学(即ち学年の初めを9月にする)の計画は取り下げ、2015年4月から四学期制に移行することが決定された。これにより東大生が夏学期に海外留学し易くなり、第三学期(即ち秋学期)が9月から始まるので海外の学生も東大に来やすくなるであろう。現行の二学期制から四学期に移行するに当たり、カリキュラムを徹底的に改訂することが要請される。教育より研究を優先させてきた東大の文化から脱却し、教育をより重視する方針である。
  1. The University of Tokyo (東京大学)の略称として、しばしば, Tokyo UniversityやUTが使われてきたが、英語での正式な略称を “UTokyo”とすることが決まった。東京理科大学、東京藝術大学、東京外国語大学などが“Tokyo University…”となるので紛らわしいし、UTはテキサス大学、トロント大学の略語として使われている。外国人のとって、Todai (東大)が東京大学の略称である事は分かりにくい。さらにGoogle検索等ではTodaiは海外に拠点を置くレストラン・チェーンの名前が一番先に出てくる。
  1. 東大のグローバル化の一環として様々な「体験活動プログラム」や「東大イノベーション・サマー・プログラム」が近年導入された。今年は国内での体験プログラム51件、海外体験プログラム24件(そのうち米国のプログラムは5件)が実施された。受け入れ先の卒業生グループが体験プログラムの企画や東大生の面倒を看て下さるのが一般的である。東大イノベーション・サマー・プログラムは土木工学科の堀井秀之教授が企画した2週間のプログラムで30人の東大生と30人の海外からの学生を対象とし、コースはデザイン、討議、実体験の3要素から構成されている。30人定員に対し海外から900人の応募があった。
  1. 東大とプリンストン大学の戦略的パートナーシップ・プログラムは今年初めに発表されたが、宇宙物理、日本研究、センサー技術の三つのプロジェクトが今年度選ばれた。
  1. 東大もMOOC (Massive Open Online Courses)に参画することになった。村山斉教授の「ビッグバンから暗黒エネルギーへ」の講義が9月3日から始まり、藤原帰一教授の「戦争と平和の条件」が10月15日から始まる。
  2. 卒業生室はボストン地域に東大同窓会を設立したい希望を持っており、中心となってもらう人たちを探し始めている。

ニューズレター第8号の記事: