数学者小林昭七氏 (1932-2012)、U.C. Berkeley 名誉教授、桑港赤門会の長老会員、80歳で死去

カリフォルニア大バークレー校の名誉教授小林昭七氏は心臓病のため8月29日に死去した。小林氏は1962年に同大学の数学科の助教授として赴任、翌年准教授、1966年に教授に昇格。1978年から81年まで、同学科の学科長を務めた。

同氏は1953年(昭和28年)東大数学科を卒業、パリ大学とシュトラスブルグ大学に一年間留学した後、1956年にシアトルのワシントン大学で博士号を取得。専門は微分幾何学、250余の論文、15冊の著作を出版した。スローン・フェロー、グッゲンハイム・フェロー、JSPS(日本学術振興会)フェロー、幾何学賞、フンボルト賞等を受賞している。

52余年にわたりバークレーに在住した小林教授は桑港赤門会(東大同窓生の集まり)の最長老の会員であった。遺族は妻幸子さん、長女スミレ、次女メイ、孫のアンドリューとブレンダン、弟の俊則氏と久志氏。

「小林昭七先生は奥様とご一緒に毎年桑港赤門会の集まり に出席して下さり、いつも暖かく我々後輩に接していただきました。来春の総会は小林先生を偲ぶ集いにしたいと思います」と9月8日のエル サリトで行われた葬儀に参列した桑港赤門会の会長中村卓氏は語った。実弟で現在FUTI理事長の小林久志氏は「昭七兄は東大を21歳で卒業、24歳で博士号を取得、34歳で正教授になったずば抜けた頭脳の数学者だった。幼少時代から昭七兄は私の良き指導者であり、お手本的存在だった」と語る。

小林昭七教授の略歴, 9月8日に行われた告別式での追悼の辞、小林昭七記念基金に関する情報などはwww.hisashikobayashi.comに掲載されている。なお著名な数学者の業績を掲載するウェブサイトCelebratio Mathematica に小林昭七教授に関する資料を掲載する準備がバークレーの教授達の努力で始まっている。


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