寄付者メッセージ

2011-2012 年度にFUTI にご寄付をされた皆様の中から数人の方々にメッセージをお願いいたしました。ご返事を下さった方々のメッセージをお名前の50音順でご紹介いたします。一人でも多くの読者が共感されて、2012-2013年度のキャンペーンにご協力頂ける事を期待しております。

亀田 壽夫様
筑波大学名誉教授
東京大学理学部1965年卒、同大学院博士課程1970年修了

東大生になられた皆さんに:「世界1位でなければいけないでしょうか、2位ではいけないでしょうか」、というような表現が話題になったことがあります。東大は日本では実質的に1位の大学と目されていますが、世界的に見ると、部分的には1位のところもかなりあると思われますが、全体的には、決して1位どころか2位にもなっていないようです。米国に留学しその実情を体験し、真に一流の国際人になるべく努力されたらどうでしょうか。そのためにFUTIが援助して下さいますが、それが得られなくても何とか方法を見つけて留学する努力をするよう勧めます。

米国の優秀な学生諸君に:FUTIの援助により、実際に日本に来て日本の実情を体験して下さい。日本人は全体としてあまり国際化しておらず、表現・プレゼンテーションもうまくないことが多いです。しかし、実際に日本にある期間滞在されると、外から見たのではわからない日本の良さを見出だすことがあると思います。それらを感じて日本に住み着いてしまった外国の方もかなりいます。日本人のノーベル文学賞受賞も日本語から翻訳された方の貢献が大です。しかしFUTIの援助がなくても、何とか日本に来られることを歓迎します。


小宮山宏様
三菱総合研究所理事長
前東京大学総長
FUTI名誉理事

大学入学以来ずっと東京大学にお世話になり2009年に総長の職を終え、今は三菱総合研究所で理事長をしています。私がアメリカに留学した1973年、アメリカは豊かさの象徴で、大きな車、高速道路、温水プールなどに圧倒されたものでした。今日本は高度経済成 長を果たし、環境問題、高齢化といった世界の課題を先取りする「課題先進国」となりました。日本がこれから「課題解決先進国」となる ためには、世界中の最先端の「知」を結集しなければなりません。共同研究の実施などを通じたアメリカの大学とのネットワークはそのた めの基盤づくりに大きく貢献するはずです。今回、少しでもお役に立てればと思い心ばかりの寄付をいたしました。


桑間雄一郎様
アルバートアインスタイン医科大学准教授、ベスイスラエル東京海上記念診療所院長

米国永住組の私は3人の子もち。米国の大学授業料は桁外れに高い。嬉しい悲 鳴で 仮にアイビーリーグに進学すれば、一人一年間約5万ドル。大学とプロフェッショナルスクールへ計8年間3人を進学させれば、合計 120万ドル。米 国の大学には多額の資金が流入し、研究 と教育環境が充実するのは当前だ。

実はこの夏、最高連続3日の休暇ルールを破って1週間渡米した、東大医学部時代の同級生で現東北大医学部教授家族とニューイングランドを訪れた。 高校生の私の長男の進学先候補の大学めぐりにも付き合っていただいた。恵まれない待遇と環境で、奉仕の精神に大学が支えられている日本と、豊かな米国の大 学環境の違いを痛感する旅でもあった。

東大で培うことのできた私の実力と名誉は、人生の強い追い風だった。米国の大学に注がれることになる 私の懐から、 僅少でも東大 への恩返しをと思う。


桝田 淳二様
FUTI名誉理事長

東京大学の当時の小宮山総長の要請を受けて、2007年9月に私がFriends of UTokyo, Inc. (FUTI) を設立して理事長を務め、2011年3月末に小林現理事長にバトンタッチするまでの3年半の間、FUTIが東大の活動をアメリカで支援するための寄付を募るために、関係者と一緒にチームとして頑張ってきました。その後小林理事長のリーダーシップの下で、昨年度を40%上回る寄付をしていただいたとのことで、大変喜ばしく思います。

私が当時ニューヨークを中心とする東大の同窓会であるNY銀杏会の理事長をやっていたこともあり、寄付を要請するのは主としてNY銀杏会の会員に対してでした。アメリカと違って寄付文化がまだ十分浸透していない日本人に母校のために寄付を募ることは、必ずしも簡単ではありませんでした。しかし、アメリカの学校で勉強した人はアメリカの寄付文化の洗礼を受けており、またニューヨークにおられる東大の卒業生も国際的感覚を持っているため、日本にいる日本人よりは寄付文化にある程度馴染んでおられました。

東大は、2004年4月から国立大学法人に移行しましたが、国から毎年受取る運営費交付金が毎年1%削減されるという厳しい財務状況の下で、現在の濱田総長は、タフな東大生を育て、グローバルリーダーを生み出すことを目標の1つとしています。ご承知の通り、FUTIが集めた寄付のかなりの部分は、将来グローバルリーダーになることが期待される若い日米の学生の活動の資金として提供されています。

私は、4年間努めた東大の経営協議会の委員や、本年4月に選任された監事(非常勤)の職務を通じて、東大の財務状況を内部から詳細に知ることができましたが、東大で勉強した人が如何に大きな援助を国から得て、極めて低い授業料で最高の教育を受けてきたかということがひしひしと感じられました。

東大のため、後輩のため、そして日本の将来のため、アメリカにおられる東大の卒業生や関係者に、単にFUTIにご厚志をご提供いただくだけでなく、非常に優遇された東大時代のご恩返しのつもりで、FUTIに積極的に寄付していただくことを心から祈念してやみません。


松下重悳様
元(株)日本ウィンク社長

世界の一流大学を目指す東京大学を応援する1959年の一卒業生です。東芝で37年半と日米の小企業で8年を経てほぼ退職しました。東京大学では、授業料を毎月5百円ずつ分納する貧乏学生でしたが、後の社会貢献への基盤を頂戴し、論文博士のご指導も頂きました。

一方Kennedy政権の輝かしい米国は、留学の全費用を負担してくれました。極東からの苦学生に幸せな人生を与えてくれた恩恵の借りを返す「報恩の倫理」で、過去に二三の米大学には米国相場で寄付をしました。

しかし私の収入が細ってから始まった東京大学基金と FUTIへの貢献はまだ日本相場に留まっており、依然残債がある気持で申し訳なく、毎年少しずつご恩返しをしています。

同窓生など東京大学の関係者に「東京大学卒業生には寄付の文化が従来あまり無いが、身の丈に合った寄付をしようよ」と訴求する目的でメルマガ形式の一文を広く送付したのがFUTI理事長のお目にも留まり、公開するようご示唆を頂きましたので、こちらでご笑覧に供します


桜井本篤様、ジャパン ソサイエテイ理事長、前FUTI諮問委員長

桜井信子様、さつき会アメリカ幹事

私共はワシントン、ニューヨーク合わせて27年間米国に滞在していますが、外からみる東大は海外への発信が必ずしも際立っていない感じがしていました。それが今、大きく変わろうとしているようで大いに期待しています。そして東大の今後の発展に海外にいながら何かご協力できないものかと思っておりました。

この度、FUTIが支援する奨学生選考に微力ながら協力させて頂き、東大生は決して「内向き」でないこと、東大のラボ等での研究を希望する米国学生が大勢いることを知り、大変心強く思いました。今のところ学生達に対する援助はサマープログラムに限られますが、大変感謝されているようです。さらに多くの学生達の将来に少しでも役に立てば、と僅かながら寄付させて頂きました。


杉山健一様
東京大学総長室顧問

1971年に工学部修士課程を修了し、東亜燃料工業(現 東燃ゼネラル石油)に入社しました。以来35年間、主として技術、企画、工場運営および経営の業務に携わり6年前に定年退職しました。1年余り自由な生活を楽しんだ後、小宮山宏名誉理事(前東京大学総長)と同じ研究室の2年後輩という縁もあって、東京大学の副理事となり渉外本部において東大130キャンペーン、東大基金の寄附集めを行って来ました。

渉外本部の活動に参画して2カ月経った2007年9月、FUTIの開所式が11月にNYで行われるから参加すること、その後のFUTIの運営をサポートする業務を渉外本部で担当するよう指示され驚きと戸惑いを覚えたことを思い出します。初期のころから桝田淳二名誉理事長や福島靖夫前理事にはいろいろとお世話になり、改めて感謝申し上げたいと思います。

設立からほぼ5年が経ち、現在のFUTIが小林理事長をはじめとする理事の皆さんやアドバイザリーコミッティのメンバーの方々のご尽力により、募金活動が着実に行われ、グラントの実績が上がっていることは感慨深くまた感謝しております。

私の寄附の動機は母校に対する感謝の気持ちと後輩の若者たちへの投資です。FUTIのスカラーシッププログラムのさらなる充実と発展をお祈りしております。


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