理事会総会, 9月 28 日(日), 午前10 時-午後1 時
「東大友の会」(FUTI)理事会の年次総会が去る9月28日(日)の午前10時よりニューヨーク市ブロードウェイ42番地の Community Resource Exchange (CRE) の会議室で開催された。
小林久志理事長の歓迎の挨拶に引き続き、小林秀太総務担当が去る4月21日に遠隔会議で行なわれた理事会の議事録の原案を提出し理事会の承認を得た。
東大理事および卒業生室長であり、東大友の会の理事でもある江川雅子氏が「東大大学の現状と卒業生活動」に関して30分のプレゼンテーションを行なった(詳細は同氏のスライド及び本記事の付記を参照)。
桑間雄一郎財務担当理事が募金キャンペーンの結果を報告した。個人からの寄付総額は2012/13会計年度の61,320ドル(73人)から2013/14会計年度の56,660ドル(59人)へと7.6%の減収になった。その結果、寄付収入総額は2012/13会計年度の131,396ドルから2013/14会計年度の109,616ドルへと16.6%減収となった(詳細は本ニューズレターの関連記事参照)。桑間財務担当は信託基金からの配当金に関して契約期間の延長効果が現れるのは来年度からで今会計年度はまだ減少すると述べた。桑間氏は、信託契約の範囲内でより利回りの高い資産運用ができないかをHSBC銀行に問いかけている。
山田雅章大学担当理事が東大友の会の研究助成金と夏季奨学金プログラムの報告をした。次の二つの研究プロジェクトに対し引き続き支援する:(1)凝縮物体物理の最先端に関するコロンビア大学と東大の協同教育と研究、(2)カブリIPMUとカリフォルニア大学バークレー校との協同、交流、啓発活動(詳細は関連記事参照)。奨学金プログラムに関しては、東大生13人がFUTIのグローバル・リーダーシップ賞(FUTI-GLA)を受賞し、米国大学でサマーコースや語学研修コースに参加した。米国大学生7人が同賞を与えられ、東大でのGSP(グローバル・サマー・プログラム)やサマー・インターンとして研鑽した(詳細は関連記事参照)。さらに山田理事はニューヨーク市のStuyvesant 高校を優秀な成績で卒業しPEAK(英語での講義のみで学位を取得できる駒場でのプログラム)に入学したチウ・キム君(Mr. Chiwu- Ishido Kim)に渡航費用に充てる奨学金を授与したことを付け加えた(詳細は関連記事参照)。
小林秀太総務担当がFOTIからFUTIへの名称変更及び住所変更に伴う同会規約の改訂案を提出し、理事会の承認を得た。
理事会に招待された東大渉外本部長の山路一隆氏が、東大友の会が日本国内で銀行口座を開設できるか否かに関し、同部の吉田洋一部長と共同で調査した結果を報告した。理事会はこの件に関し前向きに進めたい意向を示した。口座開設には、代理人になってくれる日本在住の人を任命する必要がある。
理事会は現行の役員、理事、諮問委員、選考委員を更に一年間再任することを決議した。更に小林理事長と大迫政子氏からなる、「監査委員会」の設立を決議した(役員、理事、諸委員のプロフィールは、東大友の会のウェブサイトを参照)。
続く一般討論では小林理事長が三つの提案を示した:(A)「ファンド・レイジング(募金活動)委員会」の設立;(B)「広告委員会」の設立;(C)「メディア・コミュニケーション委員会」の設立。これらの件に関し討議をする充分な時間がなかったが、募金活動が最重要課題であることに関しては、全員の合意が得られた。
理事会と諮問委員会の合同会議: 9月 28 日(日), 午後1 時-5 時
合同会議は諮問委員会の新しいメンバーの高橋規氏(ニューズレター11号の関連記事参照)ゲストとして出席した山路一隆氏(関連記事参照)の紹介から始まり、奨学金選考委員である大迫政子氏が2014年のサマー・スカラシップ受賞者のレポートのなかから幾つかのハイライトを紹介した(関連記事参照)。結論として同氏は、東大友の会のグローバル・リーダーシップ賞プログラムは東大と米国大学の極めて優れた学生達に、更なる研鑽と成長の貴重な機会を与えると言う目標を達成していると述べ、プレゼンテーションを終えた。
続いて大迫氏は、東大でのサマープログラムやインターンシップに参加するためにFUTIの夏季奨学金に応募してくる米国大学の学生の数に比較して、FUTIに応募してくる東大生の数が何故極めて低いのか、その原因を追及するために、最近小林理事長の要請で東大国際部門が行なったアンケート調査の要点を発表した。この調査で明らかになった幾つかの理由の中で次の二点が指摘された。(1) FUTIのサマー・プログラムの存在が東大生に未だ広く知られていない。アメリカでのサマープログラムに応募した東大生の中でも68%の東大生がFUTI奨学金の存在を知らなかった;(2) FUTIのプログラムを知っていた東大生も、その59%が「競争率はとても高すぎるだろうと思い応募しなかった。
理事及び諮問委員から幾つかのコメントがあった:(1)近々導入される4学期制が東大生のサマー・プログラムへの参加を容易にするだろう;(2)多くの東大生が外国留学に対して持っている心配を軽減してあげる努力をわれわれがすべきであろう。不安を感ずる学生は応募することに尻込みするだろう;(3)FUTI の奨学金プログラムに関する情報をもっと広く、効果的に東大生の間に浸透させる努力が必要だろう。
また場合によっては、奨学金応募者の面接(スカイプを使っての電話面接も含めて)をすれば、応募書類にない情報も得られるのではないかとの意見もあった。
江川氏、桑間氏、山田氏は午前中の理事会で報告で使ったスライドで諮問委員会へのプレゼンテーションを行なった。
FUTIのフェイス・ブック(FUTI FB)研究グループの委員長を務める大迫氏が同グループによるFUTIのFBページの変更と同グループの努力結果について報告した。グループの啓蒙運動の成果で「いいね!」の数がこの数ヶ月で大幅に伸びた。奨学金受賞者が「サマースクールやインターンシップの現場」から書き込むレポートはFUTIのFBページへの関心を大いに高めたが、FUTI FBのビューワー(viewer)の55%は日本在住の日本人であり、FUTIのFBページに触れる米国大学生の数はまだ限られている。
ニューヨーク銀杏会の副理事長も務める桑間理事から、同会の活動について簡単な報告があった。一つの大きな問題点として、銀杏会役員の中にも未だにFUTIの活動に関しての理解が広まらず、他の銀杏会メンバーにFUTIの活動を支援するように働きかけてくれる方々が少ないことが指摘された。
田村史子氏は「さつき会アメリカ」の最近の活動について話す予定であったが、時間切れのため、省かれた。
残りの時間は一般討論、特に「寄付集め」の課題に関して議論がされた。これまで寄付集めの努力は主に小林理事長と桑間財務担当理事によってなされてきたが、コー・ヤン・タン(Ko-Yung Tung) 氏はリーダーの役を演ずることに同意した。タン氏はあと二人程、彼と一緒にコア・メンバーとして活動する人が欲しいと述べた、そして凡ての理事及び諮問委員が「寄付集め」の責任を持つべきことを強調した。
会議は5時に終了解散し、グループは近くの小林理事長宅でのカクテル・パーティの後、バッテリー・パークのレストランで夕食をともにした。
付記: 江川雅子氏のプレゼンテーションの内容
理事会及び理事・諮問委員合同会議での江川雅子氏は「東京大学の現状と卒業生の活動」と題するプレゼンテーションをした。ここに同氏の許可を得てスライドのPDFファイルを掲載させていただく。英語の読者にはスライドのタイトルとキー・フレーズを翻訳したものを、この記事の英語版にAppendixとして掲載してある。スライド10-11のMOOC,スライド12のJMOOC、スライド13のGLP(グローバル・リーダーシップ・プログラム)、スライド14の推薦入学、スライド15の海外留学プログラムの関連ウェブサイトへのリンクはハイパーリンクで示してあるので、日本文の読者も参照されたし。
ニューズレター第12号の記事:
- 第5回の募金キャンペーン、過去の記録に及ばず
- 理事会年次総会および諮問委員との合同会議開催される
- FUTI のウェブサイト新規に再設計
- 2014年「東大友の会」奨学金受賞者のレポートからの抜粋
- コロンビア大ー東大の共同チームとバークレーのBCTP-東大カブリIPMU のプログラムを、FUTIが引き続き研究支援
- GSPとUTRIPの学生を迎えてレセプション
- 第8回「東京大学基金感謝の集い」開催される
- 「感謝の集い」出席と本郷キャンパスへの再訪問:コー・ヤン・タン(董克勇)
- 東大PEAKに入学のStuyvesant高校のKimさんに、東大友の会から渡航費
- 山路一隆氏ニューヨークにて講演
- エボラ出血熱、感染拡大に備えて:桑間理事がテレビで解説
本号の執筆者は 泉 泰行、大迫政子、桑間雄一郎、小林久志、松下重悳、董克勇(コー・ヤン・タン)、山田雅章。英文のエ ディターはブライアン・マーク(Brian L. Mark, ジョージ・メイソン大学教授)。