コロンビア大ー東大の共同チームとバークレーのBCTP-東大カブリIPMU のプログラムを、FUTIが引き続き研究支援

東大友の会(FUTI)の選考委員会はコロンビア大学と東大の凝縮物質物理学での教育プログラムの共同開発と学生の交流を引き続き支援することを決定した。更に同委員会は「宇宙解明のための数学と物理学」を研究しているカリフォルニア大学バークレー校と東大の共同プログラムも引き続き支援する。具体的には大学院学生の交流と一般大衆に対する啓蒙活動などを支援する

1凝縮物質物理の最前線 (F-CMP): コロンビア大学と東大の教育と研究での協力

東大など日本 から訪問中の学生に講義する植村教授。

東大など日本 から訪問中の学生に講義する植村教授。

コロンビア大学の植村泰朋(Prof. Yasutomo Uemura教授が率いる同大学と東大の凝縮物質物理学の教育面での協力は、この数年成功裏に実施されて、FUTIもその一部を支援してきた。

2013年3月には、15人のコロンビア大の大学院生が、東大からビデオ放映された講義を受けた後、東京と京都を訪れた。その後一部の学生は、京都大学と、SPring-8シンクロトロン装置を訪ね、その後 京都と東京の文化を楽しんだ。

2014-2015年度は東大とコロンビア大の大学院生のために、4年目に入ったF-CMPコースの共同教育と両大学の大学院生の共同研究を計画している。昨年は カナダにあるTRIUMF とスイスのPSIの加速器を使って 共同研究をした。

今年度は上記の装置での研究に加え、日本の高エネルギー研究機構KEK)にある光子工場(photon factory) と東大柏キャンパスの 物性研究所のレーザー装置を使って協力研究が行われる。今年は京都大学の 陰山洋教授と同大学院生・野崎保将さんの二人がコロンビア大学に招かれ、ミュオンのスピン緩和に関する実験をTRIUMF装置で行う予定のほか、引き続き東大とコロンビア大の間で、数人の大学院生の交換訪問が計画されている。

2. 東大カブリIPMU とバークレーのBCTPでの協力、交流、および啓蒙活動

カリフォルニア大学バークレー校のブライアン・へニングスさんと東大の飛岡幸作さんは共同研究する為、互いに相手の大学を訪問した。

カリフォルニア大学バークレー校のブライアン・へニングスさんと東大の飛岡幸作さんは共同研究する為、互いに相手の大学を訪問した。

東大のカブリ数物連携宇宙研究機構Kavli IPMU)カリフォルニア大学バークレー校のBCTP(理論物理学バークレーセンター)による共同研究は、数学者、天文学者、物理学者が 一緒に研究するユニークな環境を有する。若い研究者達が科学分野での国際社会でキャリアを形成するためには、研究と文化の両方の面で(国際社会に)触れることが極めて重要である事が実証されている。このことは東大の大学院生にとって特に重要で、この共同研究は、東京大学の国際的認知度を揚げる筈である。

昨年は、バークレーの二人の学生が東大のKavli IPMU一ヶ月滞在し、もう一人(Brian Henningsさん)は一学期間滞在し、村山教授の「ビッグバンからダークエネルギーへ

From the Big Bang to Dark Energyと云う日本から最初に発信されたオンラインコースの手伝いをした。彼はこのコースのティーチング・アシスタントとして、デスカッション・フォーラムを担当し、宿題の問題の作成もした。今年度も(Higgs 粒子ダークエネルギーなどのテーマで)同様の大学院生の交流が行われる予定である。

また村山教授は、前年度北米のヴァンクーバー( オンラインで観れる)とサンタクルーズ(http://news.ucsc.edu/2013/07/murayama-lecture.html)のIMAX劇場でそれぞれ、400人、200人の観客を対象にした公開講座で講演し、好評を得た。2014年度も地域社会に貢献すべくサンフランシスコの日本領事館と協力して同様なイベントを計画している。

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ニューズレター第12号の記事:

本号の執筆者は 泉 泰行、大迫政子、桑間雄一郎、小林久志、松下重悳、董克勇(コー・ヤン・タン)、山田雅章。英文のエ ディターはブライアン・マーク(Brian L. Mark, ジョージ・メイソン大学教授)。