2017年度の「FUTI奨学金」および「米国伊藤財団-FUTI奨学金」プログラム奨学生選考結果

FUTIはサマーリーダーシッププログラムと米国伊藤財団—東大友の会奨学金プログラムと二種類の奨学金制度があります。 プログラムの詳細はこちらをご覧ください。 https://www.todaitomonokai.org/研究助成金と奨学金/ 及び https://www.todaitomonokai.org/米国伊藤財団-futi奨学金。 Scholarship委員会委員長、松下重悳氏は以下のように述べています。「一人一人のご支援が、意欲的な学生を助け、母校東大の国際化努力に貢献し、ひいては社会に役立っているという実感を今年も強く持ちました。」以下今年度の奨学生の選考結果についての報告です。

[FUTI奨学金]

夏季プログラム参加者へのFUTI奨学金の応募締め切りは2月および4月でしたが、奨学金受賞者が確定しました。米大学から東大に留学する学生10名に、また東大から米大学に留学する学生8名に奨学金を支給することになりました。2016年度はやや低調傾向があり心配でしたが、2017年度は明らかに復調しました。人数は次表の通りです。

2016年度最終人数 2017年度最終人数
米大学→東大 9 10
米大学→東大 6 8

今年の応募状況には次のような趨勢が見られました。

  1. 東大理学系InternshipのUTRIPでは、UTRIPが特定研究テーマへの適性で選ぶ合格者と、FUTIが学生の一般的な将来性で選ぶ受給者との齟齬が、2016年には見られました。2017年度は情報共有を改善した結果、選考の整合性は向上したのですが、今度は辞退と書類不備による失格が原因で意図した人数に達しませんでした。(2016年3名→2017年3名)。
  2. 東大柏キャンパスのInternshipであるUTSIPは、2016年度は米大学からのUTSIP応募もFUTI応募も低調気味でした。2017年度はUTSIPが努力され、応募者の人数もレベルも見違えるほど向上しました。それに応えてFUTIは奨学金受給者数を増やしました。(1名→3名)
  3. 東大工学系Internshipが2016年度から始まり、FUTI奨学金は2017年度から開始しました。(0名→1名)
  4. 米大学に留学する東大生が増加しました(4名→8名)。その主因は東大のGLP-GEfILプログラムからの応募者急増に応えて4名を選考したことです(0名→4名)。東大が2年前に開始し注力しているGEfILは、国際的なリーダー育成を目的として東大全学の学部生の応募者から約百名を選抜し、各学部の単位に加えて12単位の特別教育を施す大変意欲的なプログラムです。海外夏季プログラムへの2度の留学で4単位の取得が必修で、2017年夏に向けて第1回と第2回の履修生が応募してきました。企業寄付による部分支援の奨学金を東大が全員に用意しているのですが、米大学への留学者にはFUTIにも応募するよう推奨されており、FUTIとしては選考の上3割程度に奨学金を支給することにしました。

[米国伊藤財団-FUTI奨学金]

米国伊藤財団のご寄付で2016年度から開始された米国伊藤財団-FUTI奨学金は、2017年度分は秋入学までにまだ変動要素はあるものの、ほぼ決定したという状況です。奨学生の人数は次のようになっています。

種別 \ 年度 2016 2017 2017留学先
2年目 4 Columbia 2名, UCB, Johns Hopkins
学部・修士課程在学 3 2 Harvard, Columbia
学部・修士卒予定 2 1 Princeton
既卒 3 1 Tulane
博士課程在学 1 2 UCB, Georgia Tech
9 10

次のような趨勢が見られました。

  1. 当プログラムは全学に周知され始め、昨年にも増して優秀な学生が応募してくるようになりました。リーダシップをもって学内外で活躍する有名人の学生や、十年に一人の逸材という推薦状を得た学生もいました。将来が楽しみです。
  2. 必要費用または要望費用に近い奨学金を支給しているのが上記のうち2~3名で、あとは部分支援になっています。受給する他の奨学金を応募資料で報告するように今年からしたため、多くの応募者が複数の奨学金に頼っていることが明らかになりました。
  3. 上記のうち、在学生以外の各種別は、東大が用意する留学制度に乗り難い種別であるため、当奨学金がユニークな存在として認識されてきています。
  4. 2017年度から受給2年目になる受賞者が生まれます。選考の結果、2年目該当者全員を支援することにいたしました。修士課程が3名(Columbia大2名、UCB大1名)と博士課程1名(東大学部卒後Johns Hopkins大2年目)です。応募資料や1年目の定期的な報告書から見ると、さすがに選ばれた大学院生だけあって独創的な研究成果を上げていることが分かり、頼もしい限りです。
  5. 2016年度の「既卒」の3名は、既に米国に留学中の学生でした。2017年度にも同様の応募がありましたが、選考した1名は、5年前に東大学部卒で国際機関に就職し世界を舞台に活躍してきたが改めて米博士課程に進みたいという方で、ユニークな存在です。

ニューズレター第17号の記事: