米国伊藤財団―FUTI奨学金は、米国伊藤財団からの資金提供を受けて、2016年度に始まりました。東大から米大学への1学期以上の中長期留学を主な支援の対象としています。(詳細はこちら)
最終的に初年度は現役生と卒業生合わせて9名が選ばれ、ハーバード、コロンビア、UCバークレーなど米国の大学へ留学しています。専攻は政治、社会・組織心理、映画製作、ランドスケープ・アーキテクチャー、物理・天文、都市計画などと幅広く、学部生から修士、博士課程を履修する学生まで含まれています。
東大友の会では、ご協力いただけた奨学生の皆さんから留学生活に関する写真付きエッセーを寄せていただき、2017年2月下旬より、「現場からの報告」と題して、フェイスブックの当会ページ(www.facebook.com/friendsofutokyo)に掲載しています。
原則、留学期間が1学期以上あるので、学生の皆さんは腰を落ち着けて、授業や課外活動に取り組めているのではないでしょうか。世界各地から集まった他の学生や、大学のある地元の人々との交流も深いものとなり、日常生活のさまざまな場面で刺激を受けているようです。レポートを読むと、奨学生一人一人が、日本とは異なる環境で、どのような経験をし、何を吸収しているのかがよくわかり、その留学を支援しているFUTI関係者としては読んでいて嬉しい限りです。
フェイスブックをご利用でしたら、ぜひご覧になってみてください。「いいね」やコメント、あるいはシェアをしていただくのも大歓迎です。ここではお二人のレポートを紹介します。
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古澤 えり
東京大学工学部卒業、
コロンビア大学、都市計画学科修士課程に在籍
初めまして、古澤えりと申します。2016年に東京大学の工学部建築学科を卒業し、同年の秋からコロンビア大学で都市計画学科の修士課程に在籍しています。
現在は、学校の近くにあるコロンビアの学生寮に住んでいます。Journalism やSocial Work、 Creative WritingやBusiness Schoolなど、皆が様々な学部に所属しており、出身地もバラバラなので、台所でコーヒーを淹れながらお互いの国や学問分野の話をするのが日々の楽しみです。先日もCreative Writingを専攻しているアルメニア人女性に、源氏物語の話をしました。
授業の一環として、実際にニューヨークの街に繰り出す機会があるのが都市計画学科の特長の一つです。今学期に履修している授業では“A New Masterplan for Chinatown”という課題に取り組んでおり、グループの人たちと頻繁にマンハッタンの南の方にあるチャイナタウンに出かけてはインタビューなどをしています。中国の各地から渡ってきた人々が徐々にニューヨークに住み着き、家族を養うために働きつつ人種差別と戦いながら権利を勝ち取っていった歴史は壮絶なもので、移民によって形作られてきたアメリカという国の歴史が都市空間に現れているのが感じられます。
また、勉強の息抜きにRiverside Parkというマンハッタンの西岸に沿った公園でランニングをしています。先日大雪が降った時にはスキーをしている人もいました。高層ビルに囲まれて騒がしいイメージのあるニューヨークですが、学校から数分歩けばこのようなのどかな場所があるのもマンハッタンの魅力です。
1月に新大統領が就任し、毎日何かしらのニュースが世間を賑わせているのを見るたびに、アメリカ社会が激動しているのを肌で感じられる立場にいることを実感させられます。この貴重な機会を大事にし、少しでも多くを吸収して帰ろうと思います。最後になりましたが、お世話になっている東大友の会、そして米国伊藤財団の方々に、この場をお借りして深く御礼申し上げます。
Myeongok Kim
東京大学 PEAK Environmental Sciences
スワースモア・カレッジの学部生交換プログラムに参加
スワースモア・カレッジへの交換留学中、私は新しいことにたくさんチャレンジして、多くのことを学びました。
興味・関心を広げられる貴重な機会だったので、私は自分の専攻ではない物理と工学を主に勉強しました。中でも、天体物理学と特殊相対性理論がおもしろいと思いました。講義は興味深く、星像のデータ処理に関する講演を聞きにペンシルバニア大学を訪問するなど課外活動も魅力的でした。
さらに私は日本語を教える活動もしてみました。スワースモアで日本語を勉強している興味深い人たちとたくさん知り合いになりました。困ったことも多少はありましたが、いつも誰かが助けてくれました。スワースモア・コミュニティの絆の強さにはとても驚かされました。先学期、そんな温かいコミュニティの一員になれて、私は本当に幸せでした。
短い交換留学プログラムでしたが、人生を左右されるぐらいの影響を受けました。学業面で自分は何に関心があり、どこが弱いのかを認識することができ、これから何を勉強していくべきかがはっきりわかりました。
このようなスワースモアでの交換留学プログラムに参加できる貴重な機会を作ってくださった米国伊藤財団と東大友の会に心から感謝します。
執筆者:祖開亜希子
ニューズレター第17号の記事:
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- 米国伊藤財団―FUTI奨学生による「現場からの報告」
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