山田新理事長が栄誉あるマクスウェル賞を受賞

James_Clerk_Maxwell

James Clerk Maxwell

FUTIの新しい理事長に就任された山田雅章博士は11月に、物理学界で大変名誉なマクスウェル賞を受賞されます。電磁気学の冒頭に出てくるマクスウェル方程式は、19世紀の有名な数理物学者James C. Maxwellにより考えだされましたが、その名を冠したマクスウェル賞は、長年顕著な業績を重ねた物理学者に贈られます。山田教授は「宇宙、天文物理、核融合に関わる磁気再結合の基礎的実験研究と、実験プラズマ天文物理の領域での先駆的貢献」を評価されて受賞しました。山田雅章博士はプリンストン大学にあるプリンストン・プラズマ研究所の栄誉研究員です。

山田雅章博士

山田雅章博士

門外漢の私は、実は賞の値打ちも内容も当初全く理解の外でしたが、お話する機会があった東大の複数の教授から、物理学界の万人が仰ぎ見る栄誉ある賞を受けられるということを、熱い言葉でご教示頂きました。

我々がまだ感知できないダークマター(暗黒物質)は別として宇宙で目に見える物質のほとんどは、陽イオンと電子がバラバラになったプラズマ状態にありますが、このプラズマの流れが宇宙の中にある磁力線と 相互作用を持ちます。その時 の磁力線の分離・再結合によって、磁場エネルギーがプラズマの様々な運動・熱エネルギーに変換される現象を磁気再結合と呼びます。この現象は、銀河系の生成に関わるとも言われますが、太陽の表面に吹き上がる太陽フレア、地球極地のオーロラなどを支配する現象であり、またプラズマを磁気で閉じ込める核融合実験では磁場の制御を乱す存在でもあります。その磁気再結合の基礎的物理現象を研究する世界的な実験装置MRXが、プリンストン大構内のPPPL研究所にあり、山田教授は責任者としてその計画・設計・管理に関与されて来ました。

プラズマ物理学の進歩に多大の貢献をされた山田理事長の受賞は、FUTIにとっても非常に嬉しいニュースです。

山田理事長おめでとうございます。

松下重悳:スカラシップ委員長


ニューズレター第14号の記事: