東京大学理事の江川雅子様が上欄に述べられています様に、知識社会時代の到来により世界の主要大学間の競争が激しさを増しております。その理由は、大学に おける研究の質の高さと大学が世に送り出す学生の質のレベルが、その国の将来を大きく左右するからであります。東大も世界でトップ・レベルの大学であるこ とを目指し、大きく前進しております。
明日の世界において日本の政治的影響力や経済的競争力がどうなろうかと真剣に考えますと、東大や他の主要大学で学ぶ一人でも多くの後輩達が将来グローバル・リーダーとして活躍する意欲を持てるように、私達が励まさねばならぬと思います。
政府の教育予算は今後下降の一途を辿るでしょうから、これからは私達卒業生が後輩達の育成に投資する責任の一端を背負わねばならぬと思います。下欄の記事 で小野雅裕さん(MIT博士課程)が述べています様に、東大その他の主要大学の多くの学生達が海外留学の機会を望んでいます。マス・メデイアが多くの若者 と大人が内向き思考だという理由のみで報告している状況とは明らかに異なるようであります。
FUTIニューズ・レター九月号と本号や新設したFUTIブログ・ページをご覧下さい。 この夏FUTIの ”International Leadership Award”を授与された13人の学生達 (6人の東大生、7人の米国人学生)にとって、夏期講習や実習が如何に素晴らしく目を見張るような体験であった かを皆さん異口同音に報告しています。私達の未来は、これらの学生達が将来、日本、米国、或いは世界の為に何が出来るかによって左右されるでしょう。グ ローバル・リーダーを目指す日本や米国の若者達の育成を使命とするFUTIは、皆様方から経済的支援と激励を頂くに相応しい崇高なる目標を掲げていると私 共は自負しております。
皆様方がこれ迄に成し遂げられた業績及び現在おられる地位も東大で勉学されたお陰であると私は思います。勿論このような見解を認めたがらぬ方々もいるとは 存じますが。確かにあなたご自身の努力、ご両親様の支援、そしてあなたのDNAも大きく寄与していると思います。しかし世界的に見ても一流である講義を その価値の何分の一かの費用で聴講出来たことを思い起こして下さい。更に東大の卒業生であるが故に様々な恩恵を受けて来られたことも考えて頂きたいと思い ます。今こそ母校東大に、もっと正確に申せば皆様方の才能に投資した日本の納税者の方々に、皆様方の借りを返す時であると思います。
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プリンストン大学名誉教授、元工学部長
FUTI理事長
小 林 久 志