メータ教授ジャパン・ソサェティで「新しい日本建築」出版記念講演

嘗てフランク・ロイド・ライトは「日本建築の西洋建築との出会いは美しい芸術品が大変な事故に遭ったようなものだ」と言いました。この発言から100年経た現在、日本建築デザインは世界建築界の最先端をリードしています。日本の伝統建築から引き出された純粋な白い立方体、大胆な表現様式、技術的革新、また持続可能な技法は新世代の建築家全体に影響を及ぼしています。ギータ・メータディーナ・マクドナルド共著の「新しい日本建築:世界の先導的建築家による最近の作品」はこれらの事実を本書で立証しています。

世界的に著名なアバン・ギャルド建築家42人による48の作品を通して、「新しい日本建築」は現代日本建築の今日の傾向を解説し、さらに将来の方向を予想しています。これらの建築物のなかには究極的な禅デザインへの追求を表現しているものもあり、アイコン的(Iconic)建築物の中に驚嘆効果(Wow factor)の探索を例示している物もあります。最先端の現代性を表現する建築物に対抗して、日本の価値観の復活と持続性への関心を表現する建築物もあります。本書に選ばれた建築物には、大小の建築物、私的および公共的建築物、住宅用および商業用建築物が含まれています。本書の情報に富む分析は、各建築物の素晴らしい外観を強調する美しい写真を補足しています。

著者等は日本建築の恒久的な傾向を探求していますが、著名な日本人建築家槙文彦教授の、本書序文における「如何なる建築作品の価値の最終の審査員は時間のみである」という表現に的確に要約されています。

ギータ・メータ博士は二ューヨーク市コロンビア大学の建築学教授(非常勤)であり、またFUTIの諮問委員会のメンバーです。女史は23年間にわたり東京に住み東京大学から博士号を取得しています。タトル出版社からは「新しい日本建築」の他にJapan Style and Japan Houses (2005), Japan Living (2008), Japan Gardens(2008) などを出版しています。ディーナ・マクドナルド女史は現在東京に住んでいますが、修士号をプラハのCentral European University から、博士号をモントリオール市にあるマギル大学から授与されています。ヨーロッパ、アジア、およびマダガスカルのデザインについて多数の著作があります。


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