山田雅章理事(大学担当)が主査する奨学生選考委員会はこれまでに8人の米国大学生と4人の東大生を今年のサマー・プログラム奨学生として選考した。カリフォルニア大学バークレー校、イェール大学、東大で開催されるグローバル・サマー・プログラム(GSP)等の選考結果が明らかになり次第、更に数人の東大生と2~3名の米国学生がFOTIの夏季奨学生として選ばれる予定である。
FUTIの夏季奨学金―正式の名称はFUTI グローバル・リーダーシップ賞(FUTI-GLA)―は日本と米国での将来のリーダーとなりうる人材の育成を目的としており、選考基準の一つはリーダーとしての資質を備えていることである。
選ばれた4人の東大生のうち二人はイェール大学での英語研修学校(ELI)への参加者であり、一人はイェール大学での夏季講習(YSS)への参加者である。もう一人はミネソタ大学での水理地質学の実習講座に参加するエジプトから留学生で東大の博士課程に在籍しているモハメド・カリルさんである。
上記カリフォルニア大学バークレー校やイェール大学でのGSPへの合格者に加えて、米国で評判の良い夏期講座を自分で見つけ参加を許可された優秀な東大生にもグローバル・リーダーシップ賞(GLA)を授与する予定。これらの選考は今後の二、三ヶ月のうちに行われる予定。
選ばれた8人の米国大学生は東大の理学部か工学部の研究室で夏季実習生として仕事をする。このうち6人は東大理学部の主催する東京大学研究実習プログラム(UTRIP)に応募した100人程の米国大学の学部学生の中から選考された学生である。UTRIPに合格した学生には東大の教授がホスト役として指導に当たる。このプログラムの特任専門職員 添田幸子さんは「UTRIPへの応募者は世界26ケ国から430人もあり、昨年の310人と比較すると凡そ40パーセントの増加です。特にアメリカの大学からの応募者は昨年の62人から123人まで飛躍的に伸びました。そしてその多くが一流大学のトップクラスの学生達です。Friends of UTokyoが奨学生の数を昨年の3人から今年は6人と倍増してくださったことに感謝しています」と述べた。
上述の8人のうち、他の二人はMIT(マサチューセッツ工科大学)の国際科学技術インステイチュート(MISTI)の紹介で東大でのホスト教授を見つけた学生。FUTIがMISTIの学生を支援するのは今年で4年目である。
米国大学生のFUTI GLA受賞者:
UTRIP (University of Tokyo Research Internship Program)への参加者
- Mr. Jacob Schmelz (テキサス大学・オーステイン校, 2年)― 牧島一夫教授(物理)
- Mr. Mathew Kubicki (イェール大学、3年) ―塩見美喜子教授(生物化学)
- Mr. Cye Ho (ヴァージニア大学、3年) ― 相原博昭教授(物理)
- Ms. Krysta Dummit (プリンストン大学、2年) ― 橘和夫教授(化学)
- Mr. Aniruddha Bapat (カリフォルニア工科大学、3年) ―宮下精二教授(物理)
- Ms. Alana Ogata (ウィリアム&メアリ大学、3年) ―山内薫教授(化学)
MISTI (MIT International Science & Technology Initiatives)への参加者
- Ms. Victoria Winter (MIT, 3年)— 高瀬雄一教授・江尻晶教授 (プラズマ物理・核融合)
- Mr. Chung-an Wu (MIT, 4年)—上田卓也 (生命科学)
東大生のFUTI GLA受賞者:
イェール大学の英語研修学校(ELI)、夏季講習(YSS)への参加者
- 近藤那子 (教養学部, 3年): YSS “US Strategy after the Cold War,” and “The Cold War”
- 富永順也(学際情報学府、2年): ELI “6-Week Intensive Language Course”
- 大薮浩平 (航空宇宙工学専攻、修士1年): ELI “English for Postgraduate Study”
他の夏期講座への参加者
- Mr. Mahmoud Khalil (地質学科、博士1年) ミネソタ大学の水理地質学の実習講座