小林理事長「フューチュア・インターネットを目指す研究」に関して基調講演

去る11月9日に品川の東京コンフェレンス・センターで開催されたNICT(独立行政法人情報通信研究機構)のコンフェレンスで、FUTI理事長の小林久志教授は「新世代ネットワークの研究への期待」と題する基調講演を行った。新世代ネットワーク(New Generation Networks: 略称NWGN)は現在のインターネットから革命的な跳躍をめざすものである。米国や欧州ではNWGNに相当するネットワークは通常「フューチュア・インターネット(Future Internet)」と呼ばれる。

小林氏は、多くのネットワーク研究者が指摘するように、今日のインターネットは急膨張しているユーザー人口、より高速なデータ速度への飽く無き食欲、増大するサイバー攻撃の脅迫に対して早晩対処できなくなるであろうと説く。そして、インターネットの基盤的な構想を全く新規に設計し直さねばならぬと主張する。NICTのNWGNに関する研究は日本における将来のインターネット研究の旗艦(Flagship)プロジェクトであり、小林教授はその最高顧問を務めている。現在の継ぎはぎ(patchwork)的な応対の限界はそう長くは続けられぬから、現在のインターネットは今後多分10年位の内にフューチュア・インターネットに取って代わられるであろうと小林氏は述べ、フューチュア・インターネット構築への国際的な競争と並んで国際間の協力の重要性を強調する。現在のインターネットからフューチュア・インターネットへの移行は「ネットワークの仮想化」技術を使うことにより、円滑に行なう事が可能であろうと説明した。

小林教授の講演の2頁の要約はNICTニューズレターの2012年1月号に掲載予定であり、その最終原稿は同氏のブログに掲載されている:http://hp.hisashikobayashi.com/wp-content/uploads/2011/12/小林NICTニュース原稿.pdf

講演でのスライドは http://www.nict.go.jp/presentation/2_H.Kobayashi.pdf, 30分の講演は下記のビデオでご覧になられます。講演内容の全文テキストは同氏のブログに掲載されているhttp://hp.hisashikobayashi.com/?p=199.


ニューズレター第4号の記事: