小宮山宏名誉理事のメッセージ

人間というのは結局人とのかかわりあいなくしては生きていけない、しかし現代はあまりにその関係が希薄になってきています。文明の発展にともない、コミュニティーが自然に発生することも少なくなりました。皆で余計なお世話を焼き、焼かれる方は一生懸命にその活動に取り組む。そしてその成果はやがて社会へと還元されていく。こういう関係が今の時代にはより必要なのではないでしょうか。そして教育や学術や芸術に対する支援には歴史的にこういう一面があると思っています。

いやおうなく押し寄せるグローバリゼイションの中で、大学の国際化は最優先課題です。学生そして研究者にいかに魅力ある環境を提供できるかが世界の先進大学の競争力の本質です。日本の全ての大学にいえることですが、国際競争を脱落しないでさらに勝ち抜くためには財務基盤の強化が必要であると考え、私は東京大学総長時代にその足元を支える財務基盤の強化を目指しました。その一環として大学の舞台が国際的に広がる中、東京大学の米国における教育・研究を財政面から支援するために、NY在住の卒業生の方にお願いしてFOTIを創設していただきました。4年経過し、まだ小規模ではありますが、FOTIがその後順調に発展していることを大変頼もしく思っています。

今後FOTIの活動を拡大するため、皆様からのさらなる御協力をいただけるものと心より願っております。


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