小林久志教授、ベルギーのゲント大学より名誉博士号を授与される

プリンストン大学の工学・応用科学部元学部長で電気工学科及びコンピューター・サイエンス学科のシャーマンフェアチャイルド名誉教授でおられる小林久志博士がベルギーのゲント大学より名誉博士号を授与された。授賞式は同大学の202年目の創立記念日(Dies Natalis) の3月24日に行われた。https://www.ugent.be/en/news-events/dies-natalis-honorary-doctorates-2019.htm

小林教授は、ニューヨーク州ヨークタウン・ハイツのIBM中央研究所(1967-86)及びニュージャージー州のプリンストン大学(1986-2008) 時代を通して、通信理論、ディジタル記録方式、待ち行列理論、コンピュータ及び通信ネットワークのモデル化と性能解析手法等を含む様々な分野での多大な研究業績を残され、今回の受賞の対象となった。

推薦者であるゲント大学のブルネール教授は受賞者紹介のビデオhttps://www.youtube.com/watch?v=5b7-bD0StFg&t=3s の中で160年解決していないリーマン仮説に、現在小林教授が取り組んでいることにも触れている 。

https://arxiv.org/abs/1603.02911

http://hp.hisashikobayashi.com/towards-a-proof-of-the-riemann-hypothesis-rh/

写真左から ヴァン・デ・ワレ総長、小林久志教授、ブルネール教授

小林教授とブルネール教授との出会いは、1980年秋、IBM中央研究所勤務時代、小林博士がベルギーの科学財団の招待でブラッセル自由大学の「コンピュータ・サイエンスの国際教授」(International Professor in Computer Science)として、待ち行列理論に関する一連の講義をした際、当時ゲント大学の大学院生であったブルネール氏が聴講生として参加し、特に「離散時間型待ち行列モデル」の講義に興味をそそられ、それが同氏の博士論文及びその後の研究生活に多大の影響をもたらした、とブルネール教授は回顧する。これに対し「39年前の私の講義の聴講者の中にビルネール氏が居られたことが私にとって大変幸運な事だったと思います。私の講義が彼の研究に影響を及ぼした事を知ったということだけで、大変嬉しく思います。

私の拙い講義に対し、ブルネール氏がこの様な形でお礼をして下さった 彼の破格の 親切さには感動しました」と喜びの心境を語った。

小林教授は2007年東大友の会の創設以来理事会のメンバーとして務め、2011年に桝田淳二氏の後任として理事長に選出された。2015年に山田雅章教授が理事長として選出され、現在では小林教授は東大友の会の諮問委員長を務めている。