9月12日に現ユニセフ東南アフリカ地域事務所勤務の榮谷明子さん(OG)がルワンダに勤務されていた時の経験を「希望、聞こえる?ルワンダのラジオに子どもの歌が流れた日」として出版された事を記念して、榮谷さんを囲む講演・懇親会を開催しました。講演はさつき会アメリカ主催、東大友の会共催で行われ、卒業生、大学院生を含む20名を超える参加者がありました。https://www.choubunsha.com/book/9784811327457.php
参加者の半分ほどが、「東大体験プログラム」経験者を含む東大学部、大学院生で、参加者からの質問は、行動変容のステップ、国連を目指した動機、結婚、ファンドレイジング、プロジェクトの立ち上げ方など多岐にわたり、榮谷さんはひとつひとつ丁寧に回答してくださいました。すばらしいお話で参加者からの質問は尽きず、終了してしまうのが惜しまれる会でした。
この本には榮谷さんがルワンダで子供たちの為のラジオ番組を立ち上げ、そのプログラムを全国的に愛される番組に成長させた過程が描かれています。子どもから大人まで学ぶことができる、刺激になるプロジェクトの話、ラストが泣けました等の書評があり、とても素敵な本という評判です。 「希望、きこえる?――ルワンダのラジオに子どもの歌が流れた日」
アブストラクト
もし、あなたが、友達が誰もいない国で暮らすことになったらどうしますか?その国の子どもたちのために何かしてくださいと頼まれたら、何をしますか?
アフリカの中央にあるルワンダは、「千の丘の国」と呼ばれるほど、緑の丘が広がる美しい国です。まだ電気が通っているところは少なくて、ほとんどの家にはテレビがありません。その代わりにたくさんの人がラジオを聞いています。でも、ラジオから流れてくるのは、大人向けの番組ばかり。ルワンダには子ども番組はありませんでした。
ユニセフの職員としてアフリカのルワンダで働く日本人・明子さんは、ルワンダ人の仲間と協力して、子どもたちのためにラジオ番組をつくることにしました。ラジオを通して、ルワンダ全国の子どもたちに、優しい言葉や楽しい歌を届けたい! 明子さんの夢はかなうのでしょうか。
しなやかな生き方,熱い気持ち、信頼できる仲間をみつけること、考えて行動すること。このプロジェクトには、これからの社会を生きていくのに大切なヒントがつまっています。
講演者略歴
1978年、東京都生まれ。東京大学教養学部で文化人類学を学び、交換留学先のミシガン大学で医療人類学を知る。外資系銀行勤務を経て、アメリカSchool for International Trainingで国際コミュニケーション修士号取得。
2004年、ユニセフ職員としてセルビア・モンテネグロ(当時)に赴任。2006年より東欧・中央アジア地域で鳥インフルエンザのリスクコミュニケーションを担当。2008年、出産を機に在セルビア日本国大使館に転職。2010年よりユニセフ・ニューヨーク本部で子どもとコミュニケーションに関する出版物の編集に携わる。ロンドン大学公衆衛生学修士号取得。2013年から18年までユニセフ・ルワンダ事務所に赴任し、感染症のリスクコミュニケーションやコミュニケーション戦略の策定を担当する傍ら、ルワンダ初の子ども向けラジオ番組を立ち上げた。2019年よりエジプト・日本教育パートナーシップ人材育成事業共同議長。現在はユニセフ東南アフリカ地域事務所にてコロナウイルスのリスクコミュニケーションおよびコミュニティ・エンゲージメントを担当している。