個人寄付の増加が急務

前年に続き、米国伊藤財団からのグラントを今年もいただきました。このグラントは、米国で勉強する東大の学生を財政的に援助する目的で2015/16年度に新たに導入され、1期目に$200,000をいただいき、今年度は「米国伊藤財団−FUTI奨学金」の2期目の財源として$110,000を受領しました。また、米国伊藤財団は、米国伊藤財団−FUTI奨学生が2年目の留学を継続できるように、東大友の会へのグラント直接支給の他に、独自に留学先の米国の大学へ多くのグラントを支給してくださいました。

次に大きな寄付収益は、シンテック社からのトラスト分配でした。2014/15年度に向こう5年間分の契約が更新され、それに基づいた約$35,000を今年も受領しました。シンテック社には長年にわたり継続してご寄附をいただいています。

個人寄付者の数は、2014/15年度が54名、2015/16年度が68名、今年度は65名と、同水準でした。一方で、総額では前年度の8万ドルより少ない54千ドルに留まりました。今年は個人の大口寄付者が出現しなかったことが、前年に及ばなかった原因です。

米国伊藤財団、シンテック社には、FUTIのミッションに対する寛大なご支援をいただき、心から感謝いたします。また、多くの個人寄付者の皆様には、私たちの活動にご協力いただき、厚く御礼申し上げます。東大友の会は公的チャリティーの非営利団体です。この資格の維持には、全寄付総額の33%を個人の小口寄付で集めなければならないという条件があります。つまり、個人寄付が集まらないと、米国伊藤財団やシンテック社からの大口グラントを今後も引き続き受け取り続けることができなくなるのです。この条件を満たす目的で、米国伊藤財団からのグラントを一部お断りし、わざと減額していただく必要が今年度には生じました。今後、個人の寄付者から十分な寄付を集めることで、大口寄付の受け皿を確保することが最大の懸案となっております。個人の皆様からのご寄付なくしては、「米国伊藤財団−FUTI奨学金」を含め、FUTIのプログラムは存続できません。今後も個人の皆様からのご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

過去数年に渡りFUTIは大きな進歩を遂げ、プログラムを育ててきました。スカラシップと研究グラントプログラムの発展、そして受賞者が学業に励み努力する姿をみて喜ばしく思います。多くの著名な大学、特に先進国を代表する他大学との競争がますます激しくなっているグローバル•コミュニティーにおいて、東京大学のプレゼンスを高めていくことは卒業生の喜びでもあります。非常に優れた多くの学生たちをグローバル•コミュニティに送ることをサポートしてくださる皆様にFUTIより深く感謝申し上げます。

桑間雄一郎 副理事長、財務担当理事


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