プロフィール:ヴァイダ英美さん

本号から「Friends of UTokyo プロフィール・シリーズ」の欄を設け、FUTIに貢献されている方々を紹介致します。第一回はヴァイダ(旧姓岩住)英美さん。FUTI は次第にその知名度も上がりつつあり、多くの方々に益々関心を持っていただき、支援して頂いておりますが、その理由の一つとして、優れたウェブサイト、隔月にお送りしている洗練されたニューズレター、そして過去の寄付者の方々、寄付をして頂けそうな方々に、最近お送りした美しい2011年度報告書(日本語版)などがあると思います。これらの重要なメデイアの設計と実装は Amy I Productions のAmy(英美)さんが担当しています。しかしウェブ・デザインの技術は多才多芸の英美さんの一つに過ぎません。何よりも先ず、英美さんは熟練されたバイオリニストであり、作曲家でもあります。彼女のお父様、故岩住達郎氏は東大の航空工学科と電気工学科の両学科を卒業された後、マサチューセッツ工科大学の航空宇宙航行学科および電気工学科から二つの修士号を、ペンシルベニア大学の生物工学科から博士号(Ph.D.)を授与されました。岩住博士はFUTI理事長小林教授と東大の学生時代以来長年の友人でありました。

英美さんはお父様がテキサス大学で教鞭をとっていた時に、テキサス州ガルヴェストンで生まれ、3歳でバイオリンを弾き始め、5歳の時に最初のリサイタルを開き、8歳の時にバイオリンの教師として世界に名高かった故ドロシー・ディレイ女史の奨学生としてジュリアード音楽院のPre-College Divisionに入学し、その後ジュリアード音楽院に進みHyo Kang 教授の下で学び、音楽学士号と修士号を取得しました。ジュリアード在学中に、カーネギーホールのスターン・オデイトリアムでサー・ロジャー・ノリントン(Sir Roger Norrington)指揮の下、ジュリアード・オーケストラの第一バイオリンの主席奏者として出演しました。

彼女が共演したオーケストラやアンサンブルにはLittle Orchestra Society(エヴェリー・フィシャー・ホールで)、サント・ドミンゴ国立交響楽団、インターナショナルSejong ソロイスト、ヨンカー交響楽団、Young Artists’ Orchestra(アスペン音楽祭で)などがあります。彼女が演奏した音楽祭には、アスペンの他に、スロベニアのリュブリアナ・フェステイバル、グレート・マウンテン音楽祭、Holland Music Sessions, ラホヤ・サマーフェスト(La Jolla Summerfest), ザルツブルグ夏季アカデミー(Salzburg Sommerakademie)、台北国際芸術祭などがあります。

英美さんが得た賞には、カナダのキワニス音楽祭、カナダ音楽コンクール、若い音楽家のための第二回チャイコフスキー国際コンクール、美術協会—エンリコ・フェルミ・コンチェルト・コンクール(Fine Arts Society—Enrico Fermi Concerto Competition), JAA (在米日本人会)音楽奨学金コンクールなどがあります。

現在彼女はソロイストおよび室内音楽家として米国内外で演奏活動をしています。ニューヨーク市を本拠とし、リンカーン・センター(Clark Studio Theater, Peter Jay Sharp Theater, アリス・タリー・ホール、エヴェリー・フィッシャー・ホール)、カーネギーホール(ワイル・リサイタル・ホール、ザンケル・ホール)、スタインウェイ・ホールなどでリサイタルやコンサートを開いています。オーストリア、ブラジル、ドミニカ共和国、フランス、ドイツ、オランダ、日本、スロベニア、韓国、台湾、英国で演奏しました。

英美さんはお兄様の岩住 励(Ray Iwazumi)博士とバイオリン・デユオを演奏されます。お二人はNHK放送の「名曲リサイタル」シリーズの番組で演奏されました。Salon de Virtuosi Career Grant を受賞され、お二人の演奏がWQXRで数回放送されました。2007年11月にJT アート・ホールで東京でのデビュー・リサイタルを開きました。

英美さんは作曲家としても、ASCAP財団モートン・グールドの若い作曲家賞コンクールでSpecial Citationを授与されるなど高く評価されています。オーケストラのための作品「Thoughts]はジュリアード音楽院Pre-College交響楽団によりリンカーン・センターのJay Sharp Theaterで演奏されました。日本の歌4曲を編曲した「日本の四季」は井上室内楽団から依頼された曲であり、ブラジルで演奏され、批評家の絶賛を浴びました。この曲はコロンビア大学でも「平和のニュアンス」シリーズの一部として演奏されています。

英美さんは三味線も弾きます。2008年の冬Asian Cultural Council のグラントを受賞し、文化交流の一環として日本の伝統的音楽と芸術を研鑽されました。

英美さんは、やはり熟練されたバイオリストの夫、ジョン・ヴァイダ氏とニューヨーク市に在住です。


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