University of Wisconsin School of Medicine and Public Health

by Masanari Ikeda

東京大学農学生命科学研究科獣医学専攻の池田優成です。FUTI奨学金のご支援のもと、University of WIsconsin School of Medicine and Public Health で3ヶ月と少しの間留学してきました。滞在中は、Medical Genetics部門のIkeda labで研究していました。Ikeda labは遺伝学的な手法をベースに眼疾患について主に研究しており、私は遺伝的に網膜が早期に老化するマウスを用いて脂質代謝が視細胞の生存に与える影響を研究をしました。

私は、これまで約6年にわたって弥生キャンパスの同じ研究室に所属して毎日研究に励んできました。今回は、他の研究室での実験の様子や雰囲気、考え方などに触れたいと考え、留学させていただきました。

滞在先のIkeda labは、同じ東京大学農学生命科学研究科で学位を取られた教授が代表をされている研究室です。この研究室ではミトコンドリア代謝についての実験も行っていて、私の東京大学で行いたい実験系ともかかわりが深いことから関心があり、PIの池田教授が農学生命科学研究科に講義のためにお越しになった際、留学について快くご承諾いただき、実現しました。

研究室はマディソンというウィスコンシン州の州都にあります。普段は大学の学生や大学で働いている研究者や職員が非常に多くにぎわっているそうなのですが、私の滞在期間は年度と年度の間で学生の多くが出払っているらしく、比較的のどかなキャンパスという印象でした。キャンパスが町の一部となっていることもあってか、キャンパスはとてもキレイに整備されていました。通路の草は刈られていて、廊下もへこんだりはしていません。キャンパスの内外には、無料のバレーボールコートやバスケットボールコートがあり、放課後は近所の大学生と遊ぶこともできます。

研究室では、学期中は学部生が何人もいるそうなのですが、滞在中はほとんどおらず、二人のポスドクが主に実験の面倒を見てくれました。到着すると、まず、現在研究室で行っている研究について一通り資料を頂き、これまでの予備的な結果やどのような実験が可能かなどを相談しながらどのような研究をしたいかを考えました。

アメリカでは多くの方が萎縮型加齢黄斑変性という高齢者に多い視細胞数が減少する病気により失明しています。私は、加齢に伴って眼に見られる表現型が実際に視細胞の減少に関わっているのかどうかということに興味を持ち、老化モデルマウスで組織学的な異常が実際に機能の悪化に関わるのかということを研究することにしました。約3ヶ月という滞在期間で使用可能なサンプルなどを皆さんに相談して考えました。

Ikeda labでは、週に一度、lab meetingがあり、meetingの機会を使ってその都度結果をまとめることで、上手くいかないときも方針を修正しながら実験を進めることができました。約10週にわたって実験を行い、最終的にひとつの結果としてまとめることができました。

新しい環境でこれまでと異なる分野について勉強し、これまで行ってきた実験とは異なる内容に取り組む中で、眼や代謝についての研究や遺伝学的な手法など新しい知識をえただけでなく、これまで学んできたこととの共通点や相違点を見出すことで、これまでの専門分野についても詳しくなることができました。

また、実験を教わりながら、これまでの研究室での実験とのやり方の違いや、逆に国を超えた実験室あるあるに気づいたりと毎日小さな発見があって楽しかったです。
今回の留学を通じて得た新たな知識や視点は、これまでに培ってきた知識やスキルを活かし、科学者としてのキャリアをさらに高めるために大いに役立つと考えています。