
若手研究者用のFUTI トラベル・アワードは2023年12月に創設され、これまでに2名が受賞しました:横山 輪・東京大学理学系研究科附属原子核科学研究センター特任助教と俣野美咲・東京大学附属社会調査・データアーカイブ研究センター特任助教。
2024年7月、横山助教はイリノイ州レモントのアルゴンヌ国立研究所で開催された「Nuclear Structure 2024 Conference」に参加し、最近発表した論文のポスター発表を行いました。横山助教の主な研究テーマは、超中性子過剰原子核からのベータ遅発中性子放出であり、世界中から参加者が集まるこの会議では、特に原子核構造分野の国際的な聴衆に横山助教の研究を発表する絶好の機会となりました。また、テネシー大学を訪問し、データ解析の共同研究や理論モデルに関するレクチャーを行いました。ミシガン州立大学では希少同位体ビーム施設(FRIB)を訪問し、最先端の核物理学実験についての洞察を得ることができました。さらに、アマゾン・ウェブ・サービスで働く知り合いを訪ねたことで、最新のデータ解析ツールを核物理学研究に応用するためのアイデアにつながりました。この旅は、横山助教にとって貴重な科学的議論と国際共同研究の可能性を深めるものとなりました。
2024年8月、俣野教授は、ロードアイランド州プロビデンスのブラウン大学で開催されたRC28サマーミーティング2024に出席し、三世代での学歴の再生産と世代間資源の移転に関する研究発表を行いました。また、モントリオールで開催されたアメリカ社会学会年次総会にも出席し、社会階層、社会移動、資源の世代間移転に関する研究動向について知識を深めました。さらに、プリンストン大学社会学部の大学院生とミーティングを行い、祖父母と孫の競合関係と学歴の再生産に関する分析に対してフィードバックを得ました。プリンストン大学では、社会学部の他の大学院生とのワークショップにも参加し、世代間資源の移転に関する研究に家族人口学的視点を取り入れることの重要性を学ぶことができました。
FUTI Travel Award は東京大学に在籍するテニュアを持たない研究者が対象で、学部生、大学院生、博士研究員(ポスドク)は対象外です。対象分野は、自然科学、--例えば:医学、生物学、公衆衛生学、工学、化学、物理学、データサイエンス、情報技術--およびSTEMに該当する社会科学(広義)--例えば、計量政治学、経済学、公共政策への計量的アプローチなど--です。参加者が約300人以下の会議に出席するため、および、学術機関での同僚を訪問するための「寄り道」も含めて、30 日以内の短期滞在を支援します。参加者は小規模な会場に滞在し、参加者と会食することを前提とする。
応募は年中受付中です。是非、貴研究科・研究所の若手教員・研究者に広報していただけますと幸いです。選考に際してはアメリカへの訪問を優先しますが、応募者数によっては米国以外の訪問も検討します。
* 本記事は、応募者から提出された報告書に基づいています。FUTI Travel Award の詳細および受賞者のレポートについては、friendsofutokyo.org/travelaward をご参照ください。