2022年度の奨学金事業

FUTIは奨学金事業として、東大と米国各大学との間の双方向の夏季短期留学と、主として東大(学部生・大学院生・卒業生)から米国への1学期以上の中長期留学を支援する奨学金の支給を行っています。

コロナ禍で留学が抑制される問題が、2020年度から顕在化し、同年度は壊滅的な影響を受けました。2021年度には、短期留学が依然破局的だったのに対して、中長期留学は受入れ大学の催行意欲がより高く、留学者の決意も固いため、前年度の縮小を取り戻す勢いで盛況でした。2022年度にもその傾向が続いています。

2020年度と2021年度の夏季短期奨学金では、留学を前提として採択したものの、やむを得ず渡航せず母国でOnlineで留学する学生も支援しました。しかし管理の困難と必要性の低下から、2022年度はこれを止めました。しかし日本のコロナ禍の波が米国よりも遅れて来た関係で、夏季短期の東大の受入れ体制が整わず、米大学生の受入れが限られてしまいました。具体的には、1名の米大生の支援を決めましたがVisaの問題で留学は実現しませんでした。遅れて2名の申請があり検討中です。一方、同じ夏季短期でも東大から米大学への留学については、コロナ禍前の半分以上の応募者があり、そのうち5名を支援することとなりました。

今年度の中長期留学に関しては、コロナ禍前を1割以上上回る応募があり、コロナ禍前と同程度の11名の支援を決めました。男女比など気にせず平等に選考したのですが、後で数えてみたら、11名中9名が女性という初めての大変バランスを欠いた結果になったことが今年度の特徴です。東大の女子学生比は約2割ですが、例年留学に関心を持つ人数は男女がほぼ同数になります。今年度のFUTIへの応募者もほぼ同数です。その中から採択した結果が上記でした。

採択の11名中10名は米大学への留学です。1名は米大学の博士課程の方で、研究上の必要から東大に留学されます。別の1名は、京大出身の大学院生です。

従来夏季短期留学に限られていたFUTI奨学金で、今年度初めて、中長期留学の一部をも支援できるようになりました。長年中長期留学を支えて頂いて来た米国伊藤財団のご寄付による米国伊藤財団-FUTI奨学金に加えて、中長期留学の旺盛な支援需要に応えていきます。今年度は幸いなことに初めて、東大New York OfficeからFUTIに奨学資金のご寄付を頂きました。FUTIの奨学金事業を当初から支えて頂いている信越化学工業㈱の米国法人Shintech Inc.からのご寄付と、多数の東大OBからの個人寄付も幸い増勢にあります。

頂いたご寄付を最大限に活用し、奨学金で将来のリーダーを支援・育成する事業に、FUTIは今後とも真摯に注力して参ります。