東大友の会中長期奨学生懇談会

東大友の会中長期奨学生とのオンライン懇談会がZoomにて2022年12月3日の8時(EST)に行われました。2020年に東大友の会理事長の尾島巌氏と東大友の会大学担当理事の小出昌平氏の提案により実行されて以来、奨学生との懇談会は毎年行われるようになりました。

東大友の会の奨学金委員会委員長の松下重悳氏と副委員長の桜井信子氏が初めに挨拶し、東大友の会理事長の尾島巌氏が奨学生を歓迎、コロナ禍のためZoomが一般化しこうした懇談会を開く機会を得ることができたと述べました。次に、伊藤財団の遠山嘉一氏が伊藤財団の創立者、並びにイトーヨーカドーの創立者である伊藤雅俊氏について話され、若い時に得た学資援助がその後の人生の推進力となったことに対する感謝の気持ちを込めて、前途有望な学生を支援するために伊藤謝恩育英財団と米国伊藤財団を創立したと語りました。

11名の奨学生が現在のプロジェクトについて報告し、学内や学外で習ったことについて発表しました。学生たちの研究分野は都市建築、ロボット工学、政治など多岐にわたり、食物、マイクロバイオーム、栄養、微生物学や食事内容の西洋化についての考察、や様々な視点から見た労働問題、例えば国によって異なる労働者関連法や規則、HRやマネージャーの視点についての話、またカーボン・ニュートラルに向けての手段、例えば高質なたい肥を作るための設備、残物から作れる微生物の燃料電池や二酸化炭素回収についてなど大変興味深い内容のプレゼンテーションが発表されました。

また多くの学生が日本と比べて学生と教授の関わり合いが違うと語り、米大ではよく議論をするのは勿論、教授側も学生の考えに大変興味を持っていると述べました。ある学生はアメリカに留学する前までは「女性の工学者」であることを意識していたが、アメリカでは多くの女性の教授、女性の研究員や学生に囲まれて、それが当たり前と感じ自信を得ることができたと述べました。各プレゼンテーションの間に参加者や学生が思慮深い質問をし、プレゼンテーションの内容についてだけではなく、時事問題や留学生活についても活発な議論が行われました。

最後にFUTI Alumni Associationの羽場優紀会長が興味深いプレゼンテーションをした参加者全員に礼を述べ、FUTI Alumni Association を成立した理由について語りました。東大友の会の奨学金受賞者である彼は、奨学金の本当の意味は、資金的な支援だけではなく、ネットワークと長期的な繋がりが最も重要だと伝えました。