東京大学の体験活動プログラムは、学部生及び大学院生が今までの生活と異なる文化・価値観に触れることができる独自の体験型教育プログラムです。2012年度から実施されており、今年度は全部で100を超えるプログラムがさまざまな分野と場所で提供されます。うち29プログラムが海外実施プログラムで、参加学生がアジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米のいろいろな国を実際に訪れます。アメリカでは各地の卒業生が中心となって今年は5つのプログラムが実施されます。学生は現地で活動する卒業生の職場で対面での話し合いを通じて、どのようにしてアメリカでキャリアを築くことにしたのか、アメリカで暮らし働くということは実際どういった感じなのか、活発な議論を行います。
このアメリカでの体験活動プログラムは毎年多くの学生が強い関心を持っているのですが、コロナ禍から現在まで続く物価上昇と激しい円安のため、航空券、宿泊、食事などの参加費用が年々上昇しています。そのため多くの優秀で海外への関心が高い学生が経済的な理由のみで応募を諦めざるを得ないリスクが高まっています。
このような状況を受け、アメリカの体験活動プログラムに参加する学生を支援するため、今年の5月にFUTIはInternational Pathways Award (IPA) Programを開始しました。このIPAは各プログラムから学部生1人ずつに1,000ドルから2,000ドルを支給します。今年提供されるニューヨーク、シカゴ・ワシントンDC、サンフランシスコ、シリコンバレー、ボストンの5つのプログラムが対象になります。どこも高コストの都市になります。このIPAのサポートは、FUTIの「国内外における東大のコミュニテイのための共同プロジェクトや意見交換に協力すべく経済的支援や機会を提供」という目的に合致しています。
FUTIの既存の奨学金やトラベルアワードなどに比べるとIPAは金額的には小規模ですが、期待される成果はとても大きなものです。プログラムで得た気づきや卒業生からのリアルな経験談が直接のきっかけとなって国際的なキャリアを歩むことを決めたり、留学を決意したり、また当たり前と思っていた進路を考え直した参加学生が何人もいます。人生が大きく変わる経験になったという人も多いです。さらに、このプログラムは参加学生と在米卒業生の間の重要なネットワーキングの機会にもなっており、将来学生がアメリカでキャリアを築いていこうと決断した際には貴重な財産となり、大きく貢献するものと期待されます。
濵田穣太郎、FUTI International Pathways Award Program コーディネーター