このところ株価が上昇し、資産価格が増加して喜ばれている方も多くいらっしゃるようです。これだけ儲けたのだから、ひとつ学生さんたちのためにFUTIへ寄付してあげようという肝っ玉の太い素敵な皆様、今回は現金以外の寄付特典を紹介させていただきます。
一年より長く所有した証券、債権、投資信託、年金資産(401K等)、不動産投資資金など、利益を生じた資産を売却せずに直接FUTIのようにIRS 認可の非営利団体に寄付されますと、皆様はキャピタルゲイン税(資本利得税)を払う必要がありません。寄付された資産はFUTIが現金化または保有管理しますが、非営利団体として課税はされないので、資産価格全額がFUTIへの寄付になります。そして寄付なされた皆様は、資産の購入価格ではなく、資産の時価額を税控除額として申請できるので、より大きな節税効果も得られます。自分で資産を売却し現金化してから寄付すれば、キャピタルゲイン税を国に納税することになりますが、資産を現金化せずに寄付することで、キャピタルゲイン税の分が国ではなくFUTIの取り分となる勘定になります。キャピタルゲイン税率は、寄付される皆様の世帯の年収によっても違いがありますが、2013年は世帯年収(結婚世帯例)$72,850以上$450,000以下の部分については15%、これ以上の部分については20%が目安になっています。
一例を挙げて説明させていただきます。仮に一年より前に$600で購入した証券が現在価格で$1,200まで上昇していたとします。年収が$100,000と仮定しますと、所得税率は25%, キャピタルゲイン税率は15%。
ケースA: 株を直接FUTIに寄付する場合
- 連邦政府への所得税の節税分:$1,200 x 25% = $300
- FUTI への寄付額:$1,200
ケースB: 株を売却しキャピタルゲイン税を差し引いた額をFUTIに寄付する場合
- 連邦政府に支払うべきキャピタルゲイン税: ($1,200-$600) x 15%=$90
- FUTI への寄付額:$1,200-$90=$1,110
- 連邦政府への所得税の節税分:$1,110 x 25% = $277.50
- 連邦政府への納税額の節税分:$277.50-$90=$187.50
従ってケースAとケースBにおける節税額の差は$300-$187.50=$112.50となります。州政府への納税額や株売却のコミッションまで考慮すると節税額の差は更に大きくなります。
注意事項を念のためにまとめます。資産を直接寄付する上記のような特典を得ることができるのは一年より長く所有したものでなければなりません。1年以下保有の資産を寄付した場合には、寄付者の税控除額はその資産の購入価格分だけとなってしまいます。また、それ程多額の寄付をされることはあまりないでしょうが、申請できる税控除額の上限として調整済粗所得(adjusted gross income)の30%が設定されています。もしも資産運営で損失がある場合は、当該資産を自分で売却して現金化して損失額を税控除額として確定してから現金で寄付するのが得です。もしも、現金以外の資産寄付を検討いただける方がいらっしゃいましたらば、FUTI(donationfriendsofutokyo.org)までご相談ください。どうか宜しくご検討下さい。
FUTI財務担当理事 桑間 雄一郎