東京大学地震研究所(ERI)

by Suvan Agarwal

この夏、私は東京大学地震研究所(ERI)で、綿田辰吾准教授の指導の下、計9週間の研究を行った。うち6週間は、東京大学リサーチ・インターンシップ・プログラム(UTRIP)に参加した。

私は東京で生まれたが、赤ん坊の時に家族とアメリカに引っ越してからはずっとアメリカで過ごしてきた。

だから、2022年秋から半年の早稲田大学への留学は、私にとって2度目の東京での生活だった。

その間に東京での生活が楽しくなり、日本で研究インターンシップを参加したいと考えるようになった。UTRIPは日本で唯一、国外の大学生が応募できる研究インターンシップである上、競争率は厳しいと分かっていたがどうしても参加したいと思った。東京大学からプログラムへの合格を伝えるメールが来たときは驚きもあったけど、FUTIから奨学金も受給できることも分かり、すぐに大きな喜びと興奮に変わった。

6月末早朝(午前4時45分!)に日本に到着したとき、私は戻ってこられた嬉しさでいっぱいだった。騒々しいニューヨークから静かな東京に来たので、まるで別世界にいることのようだった。

From left: my advisors Professor Shingo Watada, Professor Osamu Sandanbata, fellow UTRIP student Estibaliz Martinez Cano, fellow UTRIP student Soham Bhattacharya, myself, Teppei Enari, unknown (ERI graduate student), Kazuki Ohtake. This picture was taken at the UTRIP closing ceremony.

私が今回東京大学綿田研究室で扱った研究テーマは、近年開発された津波干渉法を使用して太平洋の海流を検出するというものだった。この技術は、海底のセンサー間で仮想的な波をシミュレートするためにフーリエ変換と相互相関を使用するこれは信号処理では長い間存在しているが、津波センサーのデータへの相互相関の適用が少ない。ERIの南海トラフと日本の北東海岸に広がるセンサーネットワーク、そして数学と物理を専門とする多くの地球科学者の存在があってこそできるこのような難しい研究に携わることができ、とても光栄に思った。

私は幸い通う大学の秋学期が始まる前にまだ時間があったので、UTRIPのインターンシップを3週間延長することを申し込み、9週間まで延長させて頂くことができた。

研究の最初の短期目標は、津波センサー間で仮想の波をシミュレートし、波が進む速さである位相速度を計算することで海流を検出することだった。位相速度が片方の方向で他方よりも速い場合、媒体(海)が片方の方向に流れていると仮定するという手法を用いている。インターンシップ期間を延長した後、この目標は拡大された。今度は、単に2つの津波センサー間での海流を検出するだけでなく、多くのセンサー間での海流を検出し、海流の地図を作成することが目標となった。

このプログラムでは研究に関わったことだけではなく、日本国内を複数回探索したことからも学びを得た。

特に印象深い旅の一つは、岩手県と宮城県に一人旅をしたときだった。この旅では、三陸復興国立公園と岩手津波記念館を訪れ、唐桑(からくわ)半島の先端にある小さなキャンプ場で一晩キャンプした。この旅でいくつか驚くべきことがあった。一つは、この地域にはほとんど電車がないことだ。ほとんどの電車は2011年の津波で損傷または壊れ、それ以来、電車はほとんどバスに置き換えられている。また、若者がほとんどいないこともあった。唐桑半島では50歳未満の人を一人も見かけなかった。おそらく、2011年の地震の後、ほとんどの若者は日本の都市部に移動したのだろう。

もう一つの旅は、伊豆半島と伊豆大島への二日間かけたERIの研修旅行だった。初日には、大室山や根府川など、伊豆半島の様々な地質的な特徴がある場所を訪れた。2日目には丹那断層を観察してから、ジェット船をに乗船し、伊豆大島を訪れた。日本に存在するとは知らなかった地質的な特徴に触れることができたこと、また、東京という地球上で最も大きな都市の近くにこんなに自然が存在することにも驚いた。さらに、旅館での宿泊は初めての経験だった!

この夏の東京での経験は非常に充実したものだった。ERIでの経験が非常に良かったため、私は東京大学大学院に進学したいと考えるようになった。興味深い研究だけでなく、東京の生活も気に入っている。研究室で靴を脱ぐことや、食堂の美味しい食事、そして便利な公共交通機関を利用した都市での生活を楽しんでいた。一緒に研究していた教授たち(綿田辰吾さん、三反畑修さん )の親切さと指導のおかげで、自分は科学者として成長してきた。このまえ、研究インターンシップに一つ参加したこともあったが、場所や生活やいろんなことを妥協しないといけなかったと感じていた。しかし、ERIのインターンシップの間は何も妥協せずに済んでいた。

以前研究インターンシップに参加した際は、場所や生活など様々なことを妥協しなければならなかった。しかし、ERIのインターンシップの間は何も妥協することがなかった。

この奨学金を提供してくれたFUTIにも非常に感謝している。前述すべての大切な経験はこの奨学金のおかげのものだ。FUTIのおかげで、人生の次のステップに向けた目標とビジョンを持つことができた。