サマースクールレポート

By Hanjun Song

今年の夏はイェール大学のサマープログラムに参加しました。授業は“Death Penalty, Wrongful Convictions and Best Practices in Criminal Justice”であり、主にアメリカ刑事司法システムにおける死刑制度や、冤罪について議論が展開されました。

授業を履修した学生には私以外全員ネーティブでしたので、TOEFL のテストで 107点とった英語力があるはずですが、ネーティブと法律関連のディスガションをするときはやり英語力が足りない部分があると感じました。一回につき、予習内容として 140ページくらいの英語の文献と 2 時間ほどの動画を見る課題が課され、つまり週 280 ページの文献と 4 時間くらいの動画資料があるというかなり重みのある授業でした。東大の授業と両立することが若干大変だと感じましたが、それなりに知識と思考力を身につけたと思いますので、参加して良かったと思います。

この授業を通じ得たことは 3 点あります。

一つは英語力の向上です。上記のようにこの授業で求められる英語の読解力はかなり高度なもので、しかも法律関連文献が多いため、用語も普通の文献よりも難しかったです。また授業ではディスガションが多く、しかもイェールの学生はみんな優秀なので、議論について行くのも大変でした。しかし、この授業を通じて自分も英語の実践力が一段階向上したと思います。以前では、英語で学術議論が怖かったり、ディスガションする前に下書きを書いたりしていましたが、今は下書きを書かなくても、自分が考えているものをそのまま伝えることができるようになりました。そういった意味で、この授業を通じて読解力のみならず、英語のスピーキングという実践力かなり向上したと思います。

もう一つは、自分の進路に関して、より明確になったことです。自分がこの授業を履修する前から、法律には関心を持っていました。しかし、大学で国際法を一応体系的に学んだとはいえ、専攻は法律ではなく、国際関係論でしたので院進の際に法律に進むのか若干戸惑うことはありました。しかし、この授業を通じて、法律はどれだけ人の役に立つか、を実際に裁判官(授業の教授は裁判官ですので)の話を聞くことで感心しました。なので、自分もこの分野をもう少し深く勉強し、世の中の多くの脆弱な立場にある人々を助けるのに使いたいと思いました。

3 点目は、死刑制度そのものについてより深く考えました。死刑のある国(中国) に生まれ、大学の留学先(日本)結局死刑制度のある国ため、たとえ周りに死刑制度 に反対する人がいても、自分が死刑制度を支持すること自体はそんなにおかしいでは なかったですし、自分もそれほど自分も主張に違和感を持ったことありませんでした。しかし、この授業では私以外全員アメリカの死刑のない州で育った人だったので、授 業では私以外死刑を支持する人はいませんでした。自分がこんなに極端の少数派にな ったことが初めてでした。このことをきっかけになぜ自分は死刑を支持するのか、ま た死刑を支持することは、人権の保護に長らく携わっていきたいと考える自分他の主 張に果たして相容れないものなのかを深く考えました。考えた末、やはり相容れない ものではなく、自分も結局今で死刑を支持するという今までの立場とは変わりません でした。しかし、以前よりも、この問題の背後にある倫理問題、人権保護、政治問題 についてもより理解が深まりました。