2023年度の奨学金事業

FUTIは奨学金事業として、東大と米国各大学との間の双方向の夏季短期留学と、主として東大(学部生・大学院生・卒業生)から米国への1学期以上の中長期留学を支援する奨学金の支給を行っています。

米大から東大への夏季短期留学に関しては、コロナ前は数十名の応募から十名前後を採択して来ました。コロナ禍の低調を経て2023年度には、32名の応募に対して11名を採択しました。内訳は、理学系InternshipのUTRIP計画で3名、柏系のUTSIPで4名、東大NeuroIntelligence国際研究機構に提携先のHarvardから2名、California大の海外教育計画UCEAPで理学系と工学系の2名でした。

東大から米大への夏季短期留学に関しては、コロナ前は約二十名の応募から七名前後を採択して来ました。コロナ禍の低調はまだ継続しており、2023年度は7名の応募から4名を採択しました。うち2名採択のGEfIL計画は、東大生2年秋に全学から百名選抜して課外時間に英語によるLeadership教育。2回の夏休みには海外短期留学必修で、授業料の半額相当の奨学金付きです。他の2名は自分で留学先を開拓しました。4名ともHarvardに留学するのは偶然です。

東大から米大への1学期以上の中長期留学は、上記の夏季短期よりも留学への想いが強いため、コロナ禍の影響が少なく、コロナ前にも2021-2022年度にも、約三十名の応募から約十名を採択して来ましたが、2023年度は31名の応募から13名を採択しました。うち4名は限定金額の奨学金です。その理由は、日本学生支援機構=JASSOの奨学金との併給または併給可能者で、併給条件から上限があることと、米大PhD課程から充分な支援が受けられる方には初期費用相当額だけを支援しているためです。採択13名の内訳は、学部生(1名だけ修士生)の協定校への留学が5名、卒業で東大を離れて米大に留学する2名、過年度卒業者4名、東大博士課程在籍者2名でした。選考を終わってから数えてみたら、日本人以外が4名。

今年から本格的に「周顺圭・周滝沢愛子 奨学金」が中長期留学の奨学金に加わりました。東大大学院で学ばれた後、米国で半導体事業で成功された周氏ご夫妻が、東大New York Officeにご寄付下さった基金からFUTIが頂いているご寄付が源資です。その結果FUTIの中長期留学の奨学金は3つから構成されることになりました。①2016年度から支えて頂いている「米国伊藤財団-FUTI奨学金」を主柱として、②上記奨学金と、③東大卒業生の個人寄付と、信越化学工業㈱の米国法人Shintech Inc.のご寄付を源資とする「FUTI奨学金」です。

頂いたご寄付を最大限に活用し、奨学金で将来のリーダーを支援・育成する事業に、FUTIは今後とも真摯に注力して参ります。