2019年度の奨学金選考結果

FUTIでは、短期留学のFUTI奨学金(グローバル・リーダーシップ・プログラム)と中長期留学の米国伊藤財団—FUTI奨学金という2種類の奨学金制度を運用しています。 プログラムの詳細はこちらをご覧ください。

https://www.friendsofutokyo.org/ja/短期留学のための奨学金
https://www.friendsofutokyo.org/ja/中長期留学のための奨学金

スカラシップ委員会委員長、松下重悳氏は以下のように述べています。「皆様のご支援のお蔭で、今年も目的意識の高い優秀な学生を多数選考することができました。引き続き東大と東大生の国際化に貢献できそうです。奨学生が直接的間接的に、東大に、そして広く社会に貢献していく将来が楽しみです。」 

以下は今年度の奨学生の選考結果についての報告です。

[FUTI国際リーダーシップ奨学金]

米大学から東大に留学する学生9名、そして東大から米大学に留学する学生8名に奨学金を支給しました。奨学生の人数の年次推移は次の通りです。

  2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
米大学→東大 9 10 12 9
東大→米大学 6 8 6 8

 今年は次のような趨勢が見られました。

  1. 東大生の米大夏期留学に関するFUTIの奨学金が、特定のプログラムの支援に占める割合が増えつつあります。以下はその理由です。
    1. 米国の夏季Programが、東大のS2 Quarterの期末試験と重なる問題が続いています。
    2. 東大の留学生支援が質量ともに充実してきており、奨学金付のSet Menuで、実質的に学内選考だけで協定校に留学出来るようになり、自信のある学生と資金に困った学生以外は、FUTIに応募する必要性が減退しています。
    3. 代わって(i)海外夏季留学を必修とするGEfIL (Global Education for Innovation and Leadership) ProgramでGEfIL奨学金の不足分をFUTIに期待、(ii)医学部6年生必修の臨床に下記IRCN (International Research Center for Neurointelligence) Programなどを利用してHarvardに留学を希望する学生がFUTIに期待。これらの需要は強いです。

      上記の結果、FUTI伝統の②から、③の特定Program支援に、FUTIの役割が変遷中です。
  2. 米大生の東大夏季留学に関するFUTIへの需要は引き続き高いです。特に次の2件のプログラムは、留学生への経済的支援が充分でないため、FUTIへの期待が高いです。
    1. カルフォルニア大学の留学プログラムUCEAP=UC Education Abroad Programで東大の理学系・工学系の夏季インターンに留学。
    2. ハーバード大学の協力を得て東大が、新研究所IRCN=International Research Center for Neurointelligenceを立ち上げたことに因み、両大学の学部生の交換留学。

[米国伊藤財団-FUTI奨学金]

奨学生の人数は次のようになりました。

  年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
9 10 12 9

今年度は例年以上に米PhD課程を目指す東大生のFUTI応募が多く、それらの多くが米PhD課程への入学許可を貰えず、FUTIの腹積もりと大きな齟齬を来たし、最終決定の遅れと、例年よりやや少なめの奨学生人数となりました。来年度には①PhD課程入学は日本での感覚よりもハードルが高いという点や、PhD課程入学希望者への奨学金の方針などFUTI Web上のガイダンスの改善と、②PhD課程希望者の選考方法の工夫、が必要になりました。

ニューズレター第21号の記事: