金川千尋信越化学工業㈱会長がご逝去

写真:日経アジア

2023年1月早々に、衝撃波がFUTIにも、産業界にも拡がりました。信越化学工業㈱の会長で高名な経営者の金川千尋氏が、1月1日に96歳でお亡くなりになりました。97歳も間近かでした。産業発展への貢献に対して1992年には藍綬褒章を授与された方です。信越化学工業㈱のシリコンウェーハや塩化ビニール樹脂などにおける世界の大きな市場シェアの獲得を主導されました。

金川氏はFUTIの大切な恩人です。氏はFUTIの奨学金・研究支援の事業を可能にして下さった方だからです。氏は東京大学(東大)法学部の1950年の卒業生で、また2011年には東大工学研究科から「 ポリ塩化ビニル工業の経営―コモディティ事業における事業強化と経営 」と題する博士論文で工学博士を授与されました。2009年に東大の要請に応えて、信越化学工業㈱の米国子会社Shintech社からFUTIにご寄付を頂くことを主導されました。Shintech社は、金川氏が1970年代に業績を飛躍的に拡大強化された会社です。1978年にはその社長に就任されました。

以降今日までご寄付は毎年継続され、これが東大卒業生個人からのご寄付を誘いました。こうして形成された基金によって、東大と米国各大学の学生200名近くと研究者が、相互留学の奨学金と研究支援で支えられました。

金川氏への心からの深謝を以て、ご冥福をお祈り申し上げます。