ノーベル生理学・医学賞受賞者大隅良典東京工業大学栄誉教授を囲む懇親会ニューヨークで開催

さつき会アメリカ主催、東大友の会協賛で大隅良典東京工業大学栄誉教授を囲む懇親会が4月21日(金曜日)ニューヨークで開催され、“ノーベル賞、その後、最近思うこと”というテーマでお話しいただきました。 ミッド・マンハッタンにあるPaul Hastings 法律事務所の会場には、定員を超える50人ほどの卒業生、高校生、研究者、製薬関係者、その他が参加し、盛会な集まりでした。

「オートファジーの仕組みの解明」により2016年のノーベル生理学・医学賞を単独受賞された大隅先生は、東京大学教養学部を卒業した後、理学系研究科に進学、博士取得後、ニューヨークのロックフェラー大学に在籍された後、東京大学理学部にて助手、講師、として酵母の液胞の細胞内輸送の研究や教育に従事されました。その後、教養学部の助教授に就任され、オートファジー(細胞が自らの蛋白質等の自己成分を分解して再利用する仕組み)の研究を開始されてノーベル賞受賞に直接繋がる重要な発見をなさいました。先生の御功績の詳細についてはこちらをご覧ください。http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2016/press.html

さつき会アメリカ副代表鈴木由利子氏の挨拶に続き、大隅先生は上記のテーマでお話になりました。「科学とは人類の蓄積してきた知の総体であり、知りたいという人間の知的な欲求、また歴史の中にある人間活動、時代とは切り離せない」と前置きされ、 30年近くにわたるご自身のオートファジーの研究を一つのケース・スタディとして分かりやすくお話くださり、基礎研究の大切さを強調されました。

レクチャーの後には若い世代の研究者などから活発に質問が出され、限られた時間でしたが、濃密な意見交換が大隅先生と参加者によってなされました。大隅先生は「若い人々がチャレンジする社会を作る必要がある。大学院生が良い環境で研究できるようにすることは社会の責任です。」と語られ、「自分が面白いと信じた事をとことん探求する」事の楽しさと重要さを強調され、盛大な拍手で閉会となりました。


ニューズレター第17号の記事: