東大友の会中長期奨学生懇談会

東大友の会中長期奨学生とのオンライン懇談会がZoomにて2024年12月7日の午後8時(EST)から行われました。懇談会の目的は受賞者同士、また資金を提供する財団の代表者、東京大学や東大友の会のメンバーと経験や意見を非公式かつ友好的に共有することです。

懇談会には2024-2025年東大友の会中長期奨学生10名、米国伊藤財団山本朝子、東大渉外部門シニア・ディレクター、堺飛鳥、東大友の会副理事長・財務担当理事、桑間雄一郎、FUTI Alumni Association会長、羽場優紀、そして東大友の会Scholarship委員会メンバー(桜井信子、松下重悳、尾島巌、大迫政子、武神淳之)が出席しました。桜井信子Scholarship委員長が初めに挨拶し、出席者に感謝の意を表しました。尾島巌理事長による歓迎のメッセージと紹介に続き、出席者が簡単な自己紹介をしました。

続いて奨学生のプレゼンテーションが行われ、間に問答セッションが行われました。奨学生達がアメリカ留学での苦労や受けた刺激など、充実感いっぱいの経験について語り合いました。その一部を以下に紹介します。

【現在コロンビア大学ビジネススクールに留学中の東大工学部卒生】

留学生活が始まってからこの3ヶ月間は、実に素晴らしい日々でした。いまのところ、カリキュラムは会計、財務、マーケティング、ストラテジーを含むコアクラスが中心で、チャレンジングでやりがいのあるものです。学生約70人のグループが、コアクラスを一緒に受講します。このシステムは、ダイナミックなディスカッションを促すので、人間関係を築き、様々な視点を交換するために必要なものです。ほぼ毎日、ゲスト・スピーカーとして業界のリーダー、チェンジメーカー達が幅広いトピックについての見識を披露しています。教室の外では、日本ビジネス協会でリーダーシップ役を務めさせていただいています。また、ソーシャル・エンタープライズ・クラブやウィメン・イン・ビジネス・クラブにも積極的に参加しています。ビジネススクールでの活動以外では、ネットワークを広げ、ローカル・コミュニティと関わっています。例えば、ハーレムでのボランティア活動に参加し、恵まれない家庭用に食料の袋詰めをしました。また、ニューヨークの女性ネットワーク・グループにも参加し、年末のイベントに出席しました。これらの経験により、教室外の生活が豊かになり、この街とのつながりが深まりました。来年に向けては、プロボノ・コンサルティングや スタートアップ企業でのインターンシップなど、新たなチャレンジに励みたいと思っています。まとめとして、コロンビアでの最初の3ヶ月は、私にとって革新的なものでした。このような素晴らしい機会を経験することができるのも、FUTIのサポートのおかげであると深く感謝しています。

【現在ジョンズホプキンス大学に留学中の東大2年生】

アメリカでの留学で3つの興味の対象を追求する機会を得られ、素晴らしい経験となっています。まず1つ目は医学で、医学の道に進もうと考えています。留学せずに日本で医学の学位を取得することもできましたが、アメリカに来ることを決めたのは、アメリカの医療環境に大きな興味があったことと、過去に数年間アメリカで育ったというユニークなバックグラウンドを持っていたからです。また、将来アメリカで医師として働く可能性も考えておきたかったことも、渡米の動機でした。ジョンズ・ホプキンス大学という、医学界で最も名門とされる大学に来たことで、私はいくつかのことを実現することができました。日本での授業は全て日本語で行われていたため、英語の専門用語を知ることがなく、こちらで生物学の授業を受講することで、生物学に関する英語の専門用語を学ぶことができました。また、内科の医師のシャドウイングをこれまで3回行い、医師がさまざまな人種や背景を持った、さまざまな病気の患者をどのように治療しているかを見学し、大きな刺激を受けました。また、興味のある遺伝医学の分野で、研究の機会を探すこともできました。医師や教授に会い、価値ある人脈を作ることができました。2 つ目は、言語学と言語学習です。ジョンズ・ホプキンスでは、韓国語、スペイン語とフランス語の3つの言語コースを受講しています。これにより、異文化、特にラテンアメリカの文化、アメリカにおけるスペインの文化とフランスの文化に対する視野が広がりました。また、医学と言語学を交差させた神経言語学のコースも受講しており、 脳の構造、脳の特定の部分がいかに言語機能と相互作用するかを学んでいます。また、もうひとつの授業は第一言語習得学で、幼児が母国語をどのように身につけていくかを理論的に研究したコースです。3つ目は英語でのディベートです。ジョンズ・ホプキンスのディベートクラブに所属し、イェール大学やハーバード大学など、いくつかのディベート大会に参加しました。複数のトピックについて非常に興味深いディスカッションをすることができ、さまざまな大学の人々と出会い、ディベート・クラブのメンバーとも仲良くなり、いい思い出を作ることができました。このような素晴らしい機会を追求することを可能にしてくださったFUTIにとても感謝しています。

最後に、FUTI Alumni Associationの会長とFUTI奨学生でもあった羽場優紀氏が奨学生の興味深いプレゼンテーションに感謝し、今後も引き続き頑張ってほしいと励ましの言葉を贈りました。また、FUTI Alumni Association を始めたきっかけを語り、FUTIの理事と諮問委員会メンバー、他のFUTI奨学生との繋がりの重要性を強調し、これから皆と交流できることを楽しみにしていると述べました。 *東大友の会受賞者のレポートはFUTI 奨学金受賞者名簿のページから読むことができます。