尾島巌理事を新FUTI理事長に選出

2019年4月15日に開催された理事会で、2015年からFUTIの理事長を務めている山田雅章氏の後任として、尾島巌理事が新理事長に選任された。2019年9月に予定されている2019年度年次理事会終了後に尾島氏の任期が始まる。この任命を行う前に、理事会は、諮問委員会および奨学金委員会の委員を務めていた尾島氏を理事に選出した。尾島氏は、 理事長就任後も奨学金委員会の委員として残る。

尾島博士は、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のUniversity Distinguished Professorであり 、Institute of Chemical Biology and Drug Discoveryの所長でもある。 尾島博士は1968年に東大(化学)を卒業、1970年に化学の修士号を、1973年には同じく化学の博士号を東大から取得した。 同氏の主な研究分野である有機化学・医薬化学・化学生物学は、 化学、生物学、医学にまたがる多学際領域である。

尾島博士は国内外で数々の賞を受賞している。 1998年には、日本化学会から第51回日本化学会賞を受賞。 また、1994年には有機合成化学分野での功績に対してアーサー・コープスカラー賞、2001年には薬用活性物質の重要な発見に対してエマヌエル・ハーシュバーグ賞、2013年にはフッ素化学分野での創作的な活動に対してフッ素化学賞を、2019年には天然物化学で権威あるアーネスト・ギュンター賞をすべて米国化学会から受賞した。さらに、グッゲンハイム財団(1995)、米国科学振興協会(1997)、ニューヨーク科学アカデミー(2000)、米国化学会(2010)、および米国発明者アカデミー(2014)のフェローに選出されている。

以下のリンクは尾島博士の受賞、出版物などの詳細である。https://www.stonybrook.edu/commcms/chemistry/faculty/_faculty-profiles/ojima-iwao. 尾島新理事長は以下のように今後の抱負を語っている。「桝田、小林両理事長のリーダーシップの下、2007年の設立以来、東大友の会(FUTI)は、FUTI夏季奨学金(国際リーダーシップ賞)を通じて、米国と日本の優秀な学生に素晴らしい留学の機会の提供をしました。2015年、山田教授がFUTI理事長に就任し、2016年度から開始した米国伊藤財団の寄付の恩恵を受けて、FUTIの活動範囲を夏季奨学金の支給から中長期的な海外留学プログラムへと大幅に拡大しました。これらの奨学金は、科学、技術、芸術および人文科学の分野で次世代のグローバルリーダーとなる可能性を持つ優秀な東大生および米国大学生の初期のキャリア推進に明らかに大きな影響を与えています。そのようなFUTIの地道な活動の成果に感動すると共に達成感すら覚えます。山田教授の大きな貢献を受け継ぎ、第4代目のFUTI理事長として、桑間副理事長、FUTI理事会、諮問委員会のメンバーと共に、FUTIの使命を引き続き推進する決意を固めています。さらに、東大ニューヨークオフィスとの実り多い協力関係を望んでいます。明日のグローバルリーダーを育成というFUTIの目的にご賛同くださった方々に心からお礼を申し上げるとともに、今後ともより一層のご支援をお願いいたします。」

ニューズレター第21号の記事: