講演イベント報告: 国際機関(国連、世銀など)で活躍されている方々のお話を聞く会

2025年6月13日(金)、Friends of UTokyo主催によるウェビナー「国際機関(国連、世銀)で活躍されている方々のお話を聞く会」がオンラインで開催されました。このイベントは、さつき会アメリカ、ニューヨーク銀杏会およびDC赤門会など、東大同窓会の後催のもと実施されました。世界的な国際機関である世界銀行と国連に勤務する二名のプレゼンターがそれぞれのキャリアの歩み、業務内容、国際機関で働くことの魅力や課題について語りました。

世界銀行の水グローバルプラクティス上級水資源管理専門官の田中幸夫氏は、世界銀行における自身の役割や、水資源や河川インフラに関するプロジェクトに携わってきた経緯を紹介しました。農業土木を専門とし、JICAや大学での勤務を経て世界銀行に入行した経験に触れながら、インド・アッサム州での洪水対策プロジェクトなどの具体的な事例を交えて説明しました。国際機関で働くには、専門分野を明確に定め、その分野での実務経験や国際経験を積むことが不可欠であると述べました。さらに、JPO(Junior Professional Officer)制度や国連ボランティア計画など、日本国籍者に開かれた制度を紹介しつつ、国際機関でのキャリア構築には人とのつながりやネットワークの重要性が大きいと強調しました。国際機関で働くことの魅力として、多様なバックグラウンドを持つ人々と協働できることや、国際的な政策形成に関与できること、そして個人としての成長機会があることを挙げました。

続いて、国際連合軍縮部(UNODA)政務官補として勤務されている平尾眞一氏は、現在JPOとして勤務している自身の立場から、JPO制度を活用して国連に参画する道を詳しく説明しました。日本の外務省がJPO派遣を財政的に支援しており、若手人材に対して2年間の国連勤務機会を提供していることを紹介しました。平尾氏は、JPO制度の応募スケジュールや競争率の高さ、ポストごとに提示される「職務記述書(TOR)」に自らのスキルや経験をいかに合致させるかが鍵となることを具体的に解説しました。また、国連特有の「コンピテンシー・ベースの面接」にも言及し、専門的能力に加えて、プロフェッショナリズムやクライアント志向といった中核的価値観が評価される点に注意を促しました。JPO制度を通じた経験が、将来的にオープンポジションでの採用につながりやすいことも強調されました。

Q & A セッションでは、事前に寄せられた質問およびウェビナー中のライブ質問に対し、両氏が回答しました。質問は幅広いテーマに及び、たとえば中学・高校時代の経験がキャリア選択に影響したかどうか、キャリアパスを決めた時期、国連や世界銀行での仕事につながる初期の職種や業界、そして大学の専攻や学位がどのようにキャリアに関わっているか、といった点が取り上げられました。両氏は、国際機関で働くために必要な要素を多角的に提示し、グローバルな開発に貢献できることや多様な人々と働く機会といった内的な充実感に加え、明確な目的意識、レジリエンス、戦略的思考が競争の激しいキャリアパスを進む上で重要であることを強調しました。

最後に主催者が、「WEBサイトを読んだだけでは得られない、貴重な情報を共有しでくださり、大変ありがとうございました。」と講演者に感謝の意を表したのちに、親睦会に移り、和やかな懇談が行われました。